バッハ・コレギウム・ジャパン

バッハ・コレギウム・ジャパン（Bach Collegium Japan）

バッハ・コレギウム・ジャパン（BCJ）は、バロック音楽、中でもヨハン・ゼバスティアン・バッハ（J.S.バッハ）の作品に特化した日本の古楽器オーケストラおよび合唱団です。1990年4月、指揮者・鍵盤楽器奏者の鈴木雅明によって設立されました。BCJは、バッハの音楽を、当時の楽器や演奏法に基づいて再現することを目指しており、その演奏は国内外で高い評価を受けています。

沿革と概要

BCJは、設立当初からバッハの音楽を中心に取り組み、特にカンタータの演奏・録音活動に力を入れてきました。1995年からは、BISレーベルよりバッハの教会カンタータ全集の録音を開始し、そのリリース数は数十枚に及んでいます。この録音プロジェクトは、BCJの名を世界に知らしめる大きな要因となりました。2018年からは、鈴木雅明の息子である鈴木優人が首席指揮者に就任し、新たな時代のBCJを牽引しています。BCJは、毎年定期的にバッハのカンタータや器楽曲を演奏しており、その演奏会は多くの音楽ファンを魅了しています。

2000年には、バッハ没後250年を記念して、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、テルアビブ、ライプツィヒ、メルボルンといった世界各地のフェスティバルに参加し、国際的な活動の幅を広げました。近年では、イタリア、スペイン、アメリカ合衆国、韓国、ドイツなど、世界各地でバッハのカンタータ、マニフィカト、マタイ受難曲、ヨハネ受難曲といった大作を演奏しています。BCJの演奏は、単に古楽の再現に留まらず、バッハの音楽の持つ普遍的な美しさと感動を、現代の聴衆に伝えるものとして高く評価されています。

受賞歴

BCJは、その活動が評価され、数々の賞を受賞しています。1999年には、日本の音楽文化に貢献した個人・団体に贈られるモービル音楽賞を受賞。さらに、2014年には、サントリー音楽賞を受賞しました。これらの受賞は、BCJの国際的な活動と、日本の音楽界における貢献を裏付けるものです。

関連人物

BCJの活動を支える主要な人物として、以下の名前が挙げられます。

鈴木雅明: BCJの創設者であり、長年にわたり音楽監督を務めた指揮者・鍵盤楽器奏者。
鈴木優人: 2018年よりBCJの首席指揮者を務める指揮者・鍵盤楽器奏者。
若松夏美: ヴァイオリニスト。
鈴木秀美: チェリスト。
鈴木美登里: ヴァイオリニスト。
寺神戸亮: ヴァイオリニスト。
高田あずみ: ヴァイオリニスト。
米良美一: カウンターテナー歌手。
太刀川昭: バリトン歌手。
櫻田亮: テノール歌手。

これらの音楽家たちは、BCJの演奏活動において重要な役割を果たしています。

出典

『クラシック音楽の20世紀　4　古楽演奏の現在』関根敏子／監修（音楽之友社、1993年）ISBN 4-276-12194-9

外部リンク

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