パオロ・ロッシ

パオロ・ロッシ：伝説のサッカー選手の軌跡

生い立ちと少年時代

パオロ・ロッシは1976年9月23日、イタリアのトスカーナ州プラートで生まれました。幼少期は陸上競技の選手に憧れを抱いていましたが、父の影響でサッカーの道に進むことを決意しました。地元のサンタ・ルツィアでサッカーを始め、その後、アンブロシアーナ、ヴィルトゥスとステップを踏んで、最終的にはユヴェントスの下部組織に加入しました。

クラブキャリア

1973年、ユヴェントスとプロ契約を結び、ロッシの選手生活がスタートしました。しかし、膝の怪我の影響で出場機会を得ることはできず、他のクラブに共同所有される形で放出されました。1976年にはセリエBのヴィチェンツァへ移籍し、ここでの活躍が彼の評価を一気に高めます。1976-77シーズンには21ゴールを挙げて得点王となり、チームをセリエA昇格へと導きます。

次のシーズン、ロッシはセリエAで24得点を挙げ得点王に輝き、チームはユヴェントスに次ぐ2位に。彼の急成長に伴い、一時はユヴェントスに復帰する噂もありましたが、ヴィチェンツァの会長が高額の移籍金を捻出。これがイタリアサッカー界での波紋を呼び、フランク・カッラロ会長が辞任する一因にもなりました。

1978-79シーズンには15得点を記録するものの、チームはセリエB降格に。1980年にはACペルージャにレンタル移籍し、再び順調な選手生活が期待されましたが、1980年には八百長事件に関与した疑いで3年間の出場停止処分を受ける結果となります。この事件の影響でロッシは2年間の空白期間を経て、1981-82シーズンに古巣のユヴェントスに復帰しました。

復帰後、ロッシは1982-83シーズンにおいてコッパ・イタリア優勝、UEFAカップウィナーズカップ優勝、そして1984-85シーズンにはUEFAチャンピオンズカップを制覇しました。1985年には新たな挑戦として、ACミランに加入しましたが、膝の怪我に悩まされ、期待された活躍を果たすことができませんでした。最終的にエラス・ヴェローナへ移籍し、少なくとも上位進出に貢献しましたが、1987年に選手生活に終止符を打ちます。

代表キャリア

イタリア代表としてのデビュー戦は1977年12月21日のベルギー戦で、1978 [[FIFAワールドカップ]]にもメンバーとして参加。初期はベンチからのスタートでしたが、試合を重ねるごとにその存在感を示し、ベスト4進出に貢献しました。1980年のUEFA欧州選手権でも主力選手として注目されましたが、八百長事件の疑惑により、代表から遠ざかります。

1982年、ロッシは出場停止を経て復帰し、スペインでのワールドカップで輝かしい戦績を残します。特にブラジル戦でのハットトリックや、準決勝・決勝でも得点を挙げるなどし、イタリアを44年ぶりのワールドカップ優勝に導いたのです。また、彼自身はこの大会で6得点を挙げ得点王に輝き、名誉あるバロンドールも受賞しました。

1986年には再度代表に選ばれるも出場機会はなく、最後となった中国戦でキャリアを閉じることとなりました。

晩年と死

現役引退後は不動産業に身を投じた後、コメンテーターとしてメディアでの活動も行いました。さらには故郷や古巣の大使を務めるなどし、晩年には肺の病に悩まされながらも多くの人々に影響を与えていました。しかし、2020年12月9日に生涯を閉じ、64歳でこの世を去りました。葬儀には多くのサッカー関係者や家族が参列し、その功績が偲ばれました。

人物

ロッシは俊敏で機敏なプレースタイルを持ち、相手のマークを巧みに外すセンスは彼の大きな武器でした。また、同時に彼はチームプレーヤーとしての側面も持ち合わせ、自らが攻撃を先導するだけでなく、仲間を活かすプレーにも徹底していました。サッカー界での評価も高く、2004年にはペレが選定した「偉大なサッカー選手100人」にも選ばれました。彼の存在は、サッカー界において不朽のものとなっています。

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