『
パワーレンジャー・コズミックフューリー』は、アメリカの特撮テレビドラマシリーズ『
パワーレンジャー』の30作目であり、『
パワーレンジャー・ダイノフューリー』の続編として制作されました。本作は、前作に引き続き、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』に加え、『宇宙戦隊キュウレンジャー』の要素も取り入れています。2023年9月29日から
Netflixで配信され、全10話で構成されています。
 概要
2022年8月28日、「
パワーレンジャーの日」に、シーズン30のタイトルが『
パワーレンジャー・コズミックフューリー』であること、そして『ダイノフューリー』の続編であることが発表されました。また、本作の
パワーレンジャーのデザインは『ダイノフューリー』をベースとしたオリジナルである一方、メガゾードの戦闘シーンは『キュウレンジャー』の映像を流用し、それ以外の戦闘シーンはニュージーランドで新たに撮影されることが発表されました。
過去には、ハズブロと
東映の提携解消に伴い、
スーパー戦隊シリーズの映像流用が終了するという報道がありましたが、これは否定されています。サイモン・ベネットは、
パワーレンジャーの完全オリジナル化を目指す一方で、ハズブロと
東映の協力関係は継続すると述べています。また、ベネットは『ダイノフューリー』撮影終了時には続編の企画は知らされていなかったと明かしています。
『キュウレンジャー』のスーツとロボ以外の映像を流用しない理由として、玩具のデザインが大きく影響しています。レンジャーの数が多すぎるため、オリジナルデザインのコスチュームを導入することになったそうです。スーツデザインはサラ・ブーンが担当し、胸部は筋肉ではなく、胸当てやボディーアーマーとして意図されています。
2023年1月17日には、前作のピンクレンジャーであったアメリアが、本作ではレッドレンジャーになることが発表されました。これにより、シリーズ初の女性レッドレンジャーがレギュラーとして登場することになります。
当初、全20話の予定でしたが、ハズブロ社内の決定により10話に短縮されました。しかしその後、
Netflixが制作費を全額負担することになり、10話での制作が実現しました。
撮影は2022年12月に終了し、20年続いたニュージーランドでの撮影が本作で終了。多くの現地スタッフ、俳優が最後の参加となりました。シリーズ再考のため、『マイティ・モーフィン・
パワーレンジャー』から30年続いた形式の
パワーレンジャーは本作で一旦終了となり、シリーズ再起動まで休止期間に入ります。
 ストーリー
『
パワーレンジャー・ダイノフューリー』の戦いを終えたレンジャーたちは、
ロード・ゼッドから平和を守るため、コズミックパワーを得て宇宙へと飛び出します。
 登場人物
名乗りは「Cosmic Fury Power!!」、勝利の言葉は「Cosmic Fury Victory!!」です。
   
アメリア・ジョーンズ / ダイノフューリー・ピンクレンジャー → コズミックフューリー・レッドレンジャー
    前作ではピンクでしたが、本作ではレッドレンジャーに変身します。
   
ザイト / ダイノフューリー・ゼニスレンジャー → コズミックフューリー・ゼニスレンジャー
    前作で命を落としましたが、モーフィンマスターの力で蘇りました。ただし、一時的な蘇生のため、力を使いすぎると弱っていきます。戦いの後、モーフィンマスターの一員に選ばれました。
   
オーリー・アカナ / ダイノフューリー・ブルーレンジャー → イビル・ブルーレンジャー → コズミックフューリー・ブルーレンジャー
    ドゥードリップに洗脳され、悪のブルーレンジャーになりますが、後に洗脳から解放されます。
  
イザベラ(イジー)・ガルシア / ダイノフューリー・グリーンレンジャー → コズミックフューリー・グリーンレンジャー
    恋人のファーンを戦いに巻き込むことに複雑な思いを抱えています。
   
ハビエル(ハビー)・ガルシア / ダイノフューリー・ブラックレンジャー → コズミックフューリー・ブラックレンジャー
    コズミックゾードの封印を解除する代償に右腕を失い、ビリーとソロンが開発した義手を装着します。
   
アイヨン / ダイノフューリー・ゴールドレンジャー → コズミックフューリー・ゴールドレンジャー
    前作から引き続きゴールドレンジャーとして活躍します。
   
ファーン / コズミックフューリー・オレンジレンジャー
    イジーの恋人。ソロノサウルスの力を宿し、オレンジレンジャーとなります。ヘルメットはアンキロサウルスを模したレッドレンジャーの装飾の色違いです。
 協力者
   ソロン
    前作から引き続き
パワーレンジャーに協力するサイボーグソロノサウルスです。
   
タリック
    ヴォイドナイトの変身者で、アメリアの実父。
ロード・ゼッドの支配に抵抗する地下組織のリーダーとなります。
   
ミューカス(クレオン)、スライサー(ワイズルー)
    かつてヴォイドナイトの部下として敵対していましたが、人間としてマジシャンに転身し、
パワーレンジャーに協力します。
   
ゾードン
    『マイティ・モーフィン・
パワーレンジャー』から登場する指導者。命を落としていますが、モーフィングリッドと一体化しており、ザイトの姿を借りてアイヨンの前に現れます。
 
歴代のパワーレンジャー
 劇中に登場しなかった歴代
パワーレンジャーも各地で
ロード・ゼッドの侵略に抵抗していることが描写されています。
   
ビリー・クランストン / MMPRブルーレンジャー
    初代
パワーレンジャーの1人であり、コズミックフューリーレンジャーの指導的立場になります。
   
ミック・カニッチ / ニンジャスティール・レッドレンジャー
     『
パワーレンジャー・ニンジャスティール』に登場した宇宙人。モーフィンマスターの力で再びレッドレンジャーに変身します。
   
ヘキル / ダイノチャージ・ダークレンジャー
   『
パワーレンジャー・ダイノチャージ』に登場した元敵キャラクター。レンジャーに変身できるようになり、タリックの地下組織に協力します。
 敵
   ロード・ゼッド
    モーフィンマスターの力を吸収し、マスター・ゼッドとなります。
   
スクローズル
    ロード・ゼッドに仕えるが、最終的に裏切ります。
   
株式会社スキッド・インク
    ロード・ゼッドと結託し、彼の侵略を支援することで利益を得ようとする企業。
       
バジリーア・ナイーレ:株式会社スキッド・インクのCEO。
ロード・ゼッドと結託し、利益を得ようとする。
       
スクイリア・ナイーレ:バジリーアの娘。ソーシャルメディアを好む。
       
インクワース:バジリーアの執事。
   
ドゥードリップ
     オーリーを洗脳した張本人です。
   
ジョゾティック
     イビル・ブルーレンジャーと協力します。
   
オムワイゾ
      スクイリアのボディガードです。
 武器・戦力
武器とモーファーのデザインはトレーシー・コリンズが担当しました。
   
コズミックフューリーモーファー
    ビリーが作り出した変身アイテム。ブラスターとしても使用可能。
   
コズミックオーブ
    コズミックフューリーレンジャーの力の源。
   
アンキロ・ハンマー
    レッドレンジャーのハンマー。
   
トリケラ・ブラスター
    ブルーレンジャーのトリケラトプス型の武器。
   
タイガー・クロウ・ダガー
    グリーンレンジャーのサーベルタイガー型の短剣。
   
モサ・レーザー・ブラスト
    ゴールドレンジャーのモササウルス型アームキャノン。
   
ステゴ・スパイク・アックス
    ブラックレンジャーの武器。
  
ソロノクロー
 オレンジレンジャーの武器。
   
コズミック・ブラスター
    個人武器を合体させた大砲。
 
ダークレンジャーモーファー
 ダイノチャージ・ダークレンジャーの変身アイテム。
   
ゾード
       コズミックライオンゾード:レッドレンジャー専用のライオン型ゾード。
      
コズミックスコーピオンゾード:サソリ型ゾード。後にオレンジレンジャー専用となる。
       
コズミックウルフゾード:MMPRブルーレンジャーが搭乗する狼型ゾード。
       
コズミックブルゾード:ブラックレンジャー専用の牡牛型ゾード。
       
コズミックコブラゾード:人型のバトルモードに変形するゾード。
       
コズミックカメレオゾード:グリーンレンジャー専用のカメレオン型ゾード。
       
コズミックイーグルゾード:ニンジャスティールレッドレンジャーが搭乗する鷲型ゾード。
     
コズミックシャークゾード:ゴールドレンジャーが搭乗する鮫型ゾード。
       
コズミックドラゴンゾード:ゼニスレンジャーが搭乗する龍型ゾード。
     
コズミックグリズリーゾード:ゴールドレンジャーが搭乗する熊型のゾード。
   
メガゾード
       コズミックフューリーメガゾード:ライオン、ウルフ、ブル、カメレオン、シャークの各ゾードが合体。
       
コズミックドラゴンメガゾード:ドラゴン、スコーピオン、グリズリーの各ゾードが合体。
       
コズミックフューリーウルトラゾード:コズミックフューリーメガゾードとコズミックドラゴンメガゾードが合体。
       
歴代メガゾード軍団:最終決戦で登場する歴代
パワーレンジャーのメガゾード。
           ダイノメガゾード・バトルモード(大獣神)
           アストロメガゾード(ギャラクシーメガ)
           ギャラクシーメガゾード(ギンガイオー)
           ニンジャブレイズメガゾード(ゲキアツダイオー)
           ビーストXメガゾード(ゴーバスターオー)
 キャスト
   アメリア/ダイノフューリー・ピンクレンジャー、コズミックフューリー・レッドレンジャー:ハンター・ディーノ
   ザイト/ダイノフューリー・ゼニスレンジャー、コズミックフューリー・ゼニスレンジャー:ラッセル・カリー
   オーリー/ダイノフューリー・ブルーレンジャー、コズミックフューリー・ブルーレンジャー:カイ・モヤ
   イジー/ダイノフューリー・グリーンレンジャー、コズミックフューリー・グリーンレンジャー:テッサ・ラオ
   ハビー/ダイノフューリー・ブラックレンジャー、コズミックフューリー・ブラックレンジャー:チャンス・ペリッツ
   アイヨン/ダイノフューリー・ゴールドレンジャー、コズミックフューリー・ゴールドレンジャー:ジョーダン・ファイト
   ファーン/コズミックフューリー・オレンジレンジャー:ジャクリーン・ジョー
   ビリー/マイティーモーフィン・ブルーレンジャー:デビッド・ヨースト
  ミック・カニッチ /ニンジャスティール・レッドレンジャー:ケルソン・ヘンダーソン
   ソロンの声:ジェセフィン・デイヴィソン
   タリック:ジャレッド・ターナー
   
ロード・ゼッドの声:
フレッド・タタショア
 スタッフ
   製作総指揮:サイモン・ベネット
   共同プロデューサー/ヘッドライター:アルウィン・デール、ベッカ・バーンズ
   プロダクション・デザイナー:トレーシー・コリンズ
   撮影監督:オリー・ジョーンズ
   編集:アラナ・バザード、ブラッド・デイヴィソン
  セカンドユニット監督:野口彰宏、渡辺淳
   制作:
パワーレンジャー・プロダクション
*   製作:
エンターテインメント・ワン、ハズブロ