ビオメリュー

ビオメリュー：微生物検査を世界に広げる老舗企業

ビオメリュー社(bioMérieux S.A.)は、フランスに本社を置く、体外診断用医薬品・医療機器の開発・販売をグローバルに展開する企業です。微生物検査、遺伝子検査、免疫検査といった幅広い領域をカバーし、世界160か国以上に製品を提供しています。その歴史は古く、ルイ・パスツールの弟子であるマルセル・メリューが1897年に設立したバイオロジー研究所にルーツを持ちます。

着実な成長と戦略的買収

1963年には、マルセル・メリュー一族のアラン・メリューがBD Mérieuxとして法人化。その後、1974年に現在の社名へと変更しました。以降、ビオメリューは着実な成長を遂げてきました。その成長を支えたのが、戦略的な企業買収です。

特に重要な買収としては、1988年のVitek Systems（細菌自動識別技術）、2001年のOrganonTeknika（HIVスクリーニング技術）などが挙げられます。これらの買収により、ビオメリューは製品ポートフォリオを大幅に拡大し、市場における競争力を強化しました。2004年には株式公開を果たし、さらなる成長の基盤を築きました。2014年にはBioFire Diagnostics Inc.（細菌・ウイルス検査）、2018年にはAstute Medical Inc.（タンパク質検査機器）を買収するなど、積極的なM&A戦略を継続しています。

世界市場と日本市場

ビオメリューの売上高は、南北アメリカが過半数を占め、ヨーロッパが3分の1、アジアが15％前後という構成です。日本市場においては、1988年からシスメックスとの合弁会社を通じて事業を展開していましたが、2017年にビオメリューがシスメックス保有分を買い取り、ビオメリュー・ジャパン株式会社を設立しました。同社は、病院や検査センター、研究機関、保健所などを対象とした臨床検査製品の販売に加え、食品会社や化粧品会社などへの産業関連製品の販売も行っています。東京赤坂にオフィスを構え、日本市場における事業拡大を積極的に推進しています。2018年には、日水製薬と食品検査市場における自動蛍光免疫測定装置などの販売契約を締結するなど、日本市場での存在感を強めています。

未来への展望

ビオメリューは、最先端技術と革新的な製品開発により、感染症対策や予防医学に貢献してきました。今後、世界的な感染症の脅威や高齢化社会の進展などを背景に、体外診断市場の需要はますます高まると予想されます。ビオメリューは、これらの市場ニーズに対応するため、研究開発を強化し、新たな製品・サービスを提供することにより、世界的な体外診断企業としての地位をさらに確固たるものにしていくことでしょう。その取り組みは、グローバルな視点と、各国の市場特性を踏まえた戦略的なアプローチに基づいていると言えるでしょう。日本市場においても、臨床検査分野のみならず、食品検査や産業分野への展開を強化することにより、更なる成長が期待されます。

まとめ

ビオメリューは、100年以上の歴史を持つ老舗企業でありながら、積極的なM&A戦略と技術革新によって、常に市場をリードする存在であり続けています。そのグローバルな視点と、各地域市場へのきめ細やかな対応は、今後の更なる発展を予感させます。日本市場における今後の展開にも注目が集まります。

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