ビデオリサーチ

株式会社ビデオリサーチ

株式会社ビデオリサーチ（Video Research Ltd.、略称：VR）は、東京都千代田区に本社を構える、日本のメディアリサーチ企業です。テレビ番組の視聴率調査やラジオ番組の聴取率調査を中心に行い、マーケティングリサーチも手掛けています。

設立の背景と歴史

ビデオリサーチは、1962年9月20日に東京芝浦電気（現在の東芝）、電通、そして18の民間放送局の共同出資によって設立されました。これは、当時アメリカのエーシーニールセン（ニールセン）が機械式の世帯視聴率調査を始めたことに対抗する形で、広告主や放送局自身が視聴率調査を行う必要性を感じたためです。特に、外国資本に視聴率調査を任せることに対する懸念があったことが設立の大きな要因でした。

電通は設立当初から34.2%の株式を保有し、持分法適用会社としてビデオリサーチの運営に深く関与しています。会社の発足以来、最新の視聴率データを提供する『テレビ視聴率日報』（通称：日報）を発行しており、調査の翌日午前9時に放送局や広告代理店に情報を提供します。

調査の仕組みと方法

ビデオリサーチの視聴率調査は、初期には調査員が家庭を直接訪問し、視聴した番組や時間を聞き取る方式が採用されていました。しかし1960年代には、選ばれた家庭に視聴率調査用の装置を設置し、視聴しているチャンネルをオフラインメータ方式で記録するスタイルに移行しました。1978年からは「ミノル・メーター」を導入し、オンラインで情報を送信する方法に変更されています。

調査対象は無作為に選ばれた家庭であり、詳細な情報は非公開です。調査対象家庭の交代は2年ごと行い、関連するマスコミ関係者の存在がないかも確認されます。視聴率は主に世帯視聴率と個人視聴率に分類され、リアルタイム視聴率とタイムシフト視聴率が計測されます。一般的に“視聴率”と言えば、世帯のリアルタイム視聴率を指すことが多いです。

調査地域と調査期間

視聴率調査は地域によって異なり、2020年以降は調査方法が見直され、調査の拡充が進められました。主要な調査地域には関東、近畿、中京、北海道、福岡などがあり、それぞれの地域で異なる世帯数が対象となっています。また、視聴率調査を行うためには、地域内に地元民放テレビ局が3局以上存在することが条件です。特定の都道府県では視聴率調査が行われていませんが、年数回のアンケート調査が行われることがあります。

不正操作問題と新技術

2003年には視聴率の不正操作問題が発覚し、一部のプロデューサーが登録視聴者に対して番組視聴を依頼し、金銭を渡していた事例が報じられました。不正行為は1%未満の影響を与えたとされています。この事件を契機に、視聴率以外の調査手法の導入が期待されているものの、依然として確立されていません。

さらに、新技術の開発も進んでおり、2009年にはデータビジョンを用いた生放送以外の視聴率を調査する技術の発表もありました。これにより、従来の視聴率測定方法に新たな可能性が開かれています。

ビデオリサーチは、日本のメディア市場において重要な役割を果たしており、今後も視聴率調査の正確性と技術革新が期待されています。

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