ファーム日本選手権

ファーム日本選手権

ファーム日本選手権は、日本プロ野球（NPB）の二軍リーグにおける年間チャンピオンを決定する大会です。この大会は1987年にスタートし、最初は「ジュニア日本選手権」と呼ばれていました。目的は、イースタン・リーグとウエスタン・リーグの両リーグの優勝チームが統一チャンピオンを争うことです。

大会の概要

大会は通常、10月に行われる教育リーグの前に開催されます。最初は9月中旬か下旬に実施されていましたが、1997年から現在の名称に変更されました。ファーム日本選手権は、日本シリーズとは異なり、たった1試合でチャンピオンが決まるため、「シリーズ」という名称は使われていません。

出場チームと試合の流れ

出場するチームは、各リーグの優勝チームがそのまま選ばれ、1試合で勝者が決まります。延長戦に関しては回数や時間に制限がないため、試合がいつまでも続くこともあります。ホームチームの役割も年によって異なり、奇数年ではイースタンリーグのチーム、偶数年ではウエスタンリーグのチームが担当します。

出場選手は、試合の数日前に出場資格者名簿を提出しなければなりません。具体的な出場資格としては、支配下選手や育成選手で当年度に登録された新人選手、あるいは当年度一度も出場していない選手が含まれます。また、ファームリーグでの公式戦において規定打席または規定投球回の3割を満たした選手も出場できます。

指名打者制度の採用

指名打者制度は、各リーグの規定に基づいて運用され、原則として一軍がパシフィック・リーグに所属するチームがホームチームを担当する場合に採用されます。しかし2009年からは、イースタンリーグの規則改正に伴い、特定の条件を満たせばセントラル・リーグのチームがホームチームでも指名打者制度を導入することが可能になりました。

2020年には新型コロナウイルス感染拡大防止のため「ファーム日本選手権特例2020」として、延長戦に新たなルールが導入されました。この年は、10回が終了した際に同点の場合、毎回無死一、二塁から始まるタイブレーク方式が採用され、翌2021年も同様の方式が続けられました。

歴代のファーム日本選手権

2023年時点での歴史を振り返ると、ウエスタンリーグが19勝、イースタンリーグが17勝を収めており、両者による競争は続いています。過去の大会ではいくつかの試合が雨天中止になったり、スコアが同点のままコールドゲームになったこともあります。特に、第4回大会（1990年）では試合がノーゲームとなり再試合が行われるなど、様々なドラマが展開されてきました。

試合の中継

試合の中継はテレビ局によって行われ、初期にはテレビ東京から生放送されていました。2008年度までは、CS放送のスカイ・A sports+で中継されていましたが、2009年度以降はJ SPORTSが主に中継を行っています。さらに、地元のテレビ局でも試合の放送が行われており、特に広島テレビ放送では2017年に生中継が行われたことがあります。

ファーム日本選手権は、二軍選手にとっての重要な舞台であり、これからもファンに愛され続けるでしょう。

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