フィーラ

フィーラ (Fyra) の概要

フィーラは、オランダ高速鉄道とベルギー国鉄が共同で運行を計画した、アムステルダム、ロッテルダム、ブリュッセルなどの主要都市を結ぶ高速列車ブランドです。HSL-ZuidとHSL 4という高速新線を経由し、タリスと共に両国間の高速輸送を担う予定でした。しかし、その計画は様々な問題により短期間で終わりを迎えます。

運行計画と開始

運行計画では、アムステルダム中央駅を拠点に、ロッテルダム、ブレダへ毎時2本、アントウェルペン、ブリュッセルへ毎時1本の列車を運行する予定でした。さらに、ハーグ発着でブリュッセルへ向かう列車も1日8本計画されていました。

2012年12月9日、高速電車V250を使用した運行が開始されました。ルートはアムステルダム中央駅 - スキポール空港駅 - ロッテルダム中央駅 - アントワープ中央駅 - ブリュッセル中央駅 - ブリュッセル南駅を結ぶものでした。しかし、運行開始直後から寒波の影響による遅延や車両故障が頻発し、定時運行率は50%を割るという状況に陥りました。

運行停止と代替措置

2013年1月18日、ベルギー国鉄は安全が確認できるまで運行を停止すると発表しました。これにより、両国間の輸送は大きな混乱に見舞われました。代替措置として、2月18日からはフィーラ運行前に両国間を結んでいたインターシティがデンハーグ発着で2往復復活し、3月11日からは1日8本に増発されました。

批判と訴訟

オランダでは、品質を顧みず安易に価格の安い車両を導入したことが批判の的となりました。特に「Aldiの高速鉄道」という皮肉な表現は、ドイツ系ディスカウントストアのAldi社が抗議する騒ぎにまで発展しました。

ベルギー国鉄は2013年5月末に列車の購入中止を決定し、オランダ高速鉄道も2013年6月3日に撤退を表明しました。これにより、フィーラは完全に廃止されることになりました。その後、アンサルドブレーダとオランダ高速鉄道の間で訴訟合戦が繰り広げられましたが、オランダ高速鉄道は2014年3月に車両を返却する代わりに1億2500万ユーロを受け取ることで合意しました。しかし、これは支払済みの2億1300万ユーロを大きく下回る金額でした。同年9月には、アムステルダム東地区に野ざらしになっていた車両の返却が開始されました。

使用車両

フィーラには、オランダ高速鉄道がアンサルドブレーダに発注した16編成、ベルギー国鉄が発注した3編成、合計19編成の高速電車V250が使用される予定でした。1編成は8両で構成され、最高速度250km/hでの運行が計画されていました。

関連項目

• - オランダ高速鉄道
• - オランダ南高速線
• - アンサルドブレーダ
• - ピニンファリーナ
• - V250 (鉄道車両)

外部リンク

• - Fyra

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