フォグ

株式会社フォグ：日本のアドベンチャーゲーム史に名を刻んだ会社

株式会社フォグ（FOG inc.）は、東京都町田市に拠点を置いていた、日本のゲーム制作会社です。1996年末、ナムコおよびアイマックスでの経験を持つ宗清紀之氏によって設立されました。社名である「FOG」は「Full On Games」の頭文字を取っており、ゲームへの情熱を象徴する社名と言えるでしょう。

フォグは、特にアドベンチャーゲームにおいて高い評価を得ていました。緻密なシナリオ、魅力的なキャラクター、そして美しいグラフィックは多くのプレイヤーを虜にしました。特に『風雨来記』シリーズや『雨格子の館』シリーズは、その代表作として知られています。

フォグと日本一ソフトウェアとの関係は非常に深かったと言えるでしょう。両社の創業者同士は古くからの付き合いであり、初期の開発においては日本一ソフトウェアが協力をしています。『みちのく秘湯恋物語』や『久遠の絆』といった作品は、この両社の協業によって生まれたものです。『雨格子の館』以降は、両社が共同で数多くのアドベンチャーゲームを世に送り出しました。この密接な協力関係は、フォグの成功に大きく貢献したと言えるでしょう。

2016年7月、フォグは日本一ソフトウェアの子会社となりました。これは、両社の関係性がさらに強まったことを示しています。しかし、2016年2月には、代表取締役だった宗清紀之氏が逝去。そして、2021年12月7日、フォグは解散という道を歩むこととなりました。

フォグの解散は、日本のゲーム業界に大きな衝撃を与えました。しかし、フォグの遺産は、日本一ソフトウェアによって受け継がれることとなり、その作品群はこれからも多くのプレイヤーによって愛され続けることでしょう。

フォグの歴史

1996年12月: 東京都渋谷区桜丘町にて会社設立
1999年4月: 新横浜へ移転
2009年8月: 港北ニュータウンへ移転
2012年6月: 東京都町田市へ移転
2016年2月: 代表取締役・宗清紀之氏逝去
2016年7月: 日本一ソフトウェアの子会社となる
2021年12月7日: 解散

代表的な作品

フォグは数多くのアドベンチャーゲームを開発・発売しました。その中でも特に有名な作品を以下に挙げます。

美少女花札紀行 みちのく秘湯恋物語 (1997年): PlayStation用ソフト。
久遠の絆 (1998年): PlayStation用ソフト。
久遠の絆 再臨詔 (2000年): ドリームキャストおよびPlayStation 2用ソフト。
風雨来記 (2001年): PlayStation用ソフト。シリーズ化され、高い人気を誇った。
MISSING PARTS the TANTEI STORIES シリーズ (2002年～2012年): ドリームキャスト、PlayStation 2、PlayStation Portable用ソフト。
Rim Runners (2005年): PlayStation 2用ソフト。
風雨来記2 (2005年): PlayStation 2用ソフト。
雨格子の館 (2007年): PlayStation 2用ソフト。
奈落の城 一柳和、2度目の受難 (2008年): PlayStation 2用ソフト。
雨格子の館 PORTABLE 一柳和、最初の受難 (2009年): PlayStation Portable用ソフト。
奈落の城 POTABLE 一柳和、2度目の受難 (2009年): PlayStation Portable用ソフト。
氷の墓標 一柳和、3度目の受難 (2010年): PlayStation Portable用ソフト。
MISSING PARTS the TANTEI STORIES Complete (2012年): PlayStation Portable用ソフト。
封印 (2013年): Windows用ソフト。
風雨来記3 (2013年、2015年): Windows、PlayStation Vita用ソフト。

これらの作品は、フォグの技術力とクリエイティビティの高さを示すものであり、日本のアドベンチャーゲーム史に大きな足跡を残しました。フォグは解散しましたが、その作品はこれからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

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