ブリツ

ブリツ（Blic）とは

ブリツ（セルビア語: Блиц / Blic、「稲妻」）は、リンギヤー（Ringier）グループが保有するセルビアの日刊紙です。1996年に創刊され、大衆の関心を引く紙面構成で知られています。最大期には25万部を発行しました。

歴史

1996年、オーストリアの実業家によって創刊されました。同時期にスロヴァキアの日刊紙も取得しています。創刊当初はタブロイド・ジャーナリズムの典型で、話を単純化し、エンターテインメント要素を多く取り入れました。富くじを掲載するなどして売上を伸ばしました。

セルビアでの抗議運動

1996年11月、セルビアの統一地方選挙で野党が躍進しましたが、当時の大統領スロボダン・ミロシェヴィッチが選挙結果の受け入れを拒否し、抗議運動に発展しました。ブリツは選挙結果を支持する立場を取り、発行部数を伸ばしましたが、ミロシェヴィッチ政権の反感を買うこととなりました。

国営メディアが抗議運動をほとんど報道しない中、ブリツは連日大きく報道しました。しかし、政権からの圧力により、ブリツは報道姿勢を転換し、エンターテインメントと軽々しいニュース報道に戻りました。この転換に抗議して編集長らが辞任し、政治報道を大幅に減らしました。

グラス・ヤヴノスティの創刊

1998年4月、編集長が保有者との対立により辞任し、ブリツのスタッフの半数以上が彼と共に新たな新聞「グラス・ヤヴノスティ」を創刊しました。

リンギヤーによる買収

2004年、ブリツはスイスのマスメディア企業リンギヤーに売却されました。

デヤン・シミッチ問題

2006年1月、セルビア国立銀行副総裁の汚職事件に関して、ブリツは警察や政府と異なる背景を主張する記事を掲載しました。この記事は、セルビア国立銀行の職員と副首相の娘婿が黒幕であると主張し、訴訟に発展しました。

ラトコ・クネジェヴィッチのインタビュー

2009年7月、ブリツはモンテネグロの首相と深いつながりを持つラトコ・クネジェヴィッチへのインタビューを掲載しました。クネジェヴィッチは、モンテネグロの首相ミロ・ジュカノヴィッチがタバコ密輸に関与していると告発しました。スボティッチは名誉毀損でブリツを訴えるとし、クネジェヴィッチはこれに反論しました。

関連誌

ブリツは創刊以来、様々な関連誌を発行してきました。

ブリツ・ヨーロッパ（廃刊）
ブリツ・ジェナ
ブリツ・プルス
エウロ・ブリツ（スルプスカ共和国で発行）

現状

ブリツは現在もセルビアで広く読まれており、大衆的な日刊紙としての地位を確立しています。リンギヤー・グループの傘下で、セルビアのメディア界において重要な役割を果たし続けています。

関連項目

セルビアの新聞
グラス・ヤヴノスティ

外部リンク

* 公式サイト

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