富くじ

富くじとは

富くじ（とみくじ）とは、籤（くじ）の一種であり、購入者が抽選によって賞金を得る仕組みを持つものです。富籤（とみくじ）とも表記され、日本では「宝くじ」という名称で親しまれています。このくじの構造は、購入者がくじ代金を支払い、発行者がその収入で賞金を提供します。富くじは、人々の射幸心を刺激する側面があるため、歴史的には禁止されることも多くありました。

賭博との違い

刑法学では、富くじはカジノなどの賭博とは区別されます。その違いは以下の通りです。

財産の得喪決定: 賭博は抽選以外の偶発的な方法で財産が決定するのに対し、富くじは抽選によって決まります。
賭物の所有権: 賭博では勝敗決定時に勝者に所有権が移りますが、富くじでは財物は発売者に一時的に移ります。
財産喪失の危険: 賭博では胴元と参加者の両方が負担しますが、富くじでは発売者は基本的に財産喪失のリスクを負いません。

富くじの販売

多くの国で、富くじの販売権は特定の業者や政府機関によって独占されています。発行者側の収益は、公共事業の資金源として利用されることが一般的です。

富くじの歴史

富くじの歴史は古く、世界で最初の富くじは、中国の漢の時代に万里の長城建設資金を集めるために行われたとされています。ローマでも、ユリウス・カエサルが建設費調達のために富くじを利用したという記録があります。

各国の歴史

イギリス: 16世紀にエリザベス1世が国営富くじを発行し、公共目的の資金調達に利用しました。その後、私的な富くじが盛んになり社会問題も発生したため、議会の承認が必要となりました。
中国: 約3000年前に万里の長城建設のために富くじが発行されたという伝承があります。唐代には記録があり、1885年まで販売されました。その後、禁止されましたが、改革開放政策を経て1987年に社会福祉のための富くじが再開されました。
日本: 江戸時代には寺社が勧進のために富くじを発売しましたが、天保の改革で禁止されました。明治時代には富興行が禁止されましたが、闇富くじが行われました。その後、刑法で富くじの販売が禁止されています。ただし、宝くじは例外として認められています。

日本の富くじ

日本の富くじの起源は、摂津・箕面の瀧安寺とされています。江戸時代には、寺社が勧進のために公儀の許可を得て富籤を販売しました。

法規制

明治時代には、太政官布告により富興行は禁止されましたが、その後も闇富くじは行われました。1900年には、内務省令で「富籤類似行為」の取り締まりが強化されました。刑法では、富くじの販売・取次・授受は禁止されています。ただし、福引は券を販売するのではなく、景品として無料で配布されるため、刑法の富くじには該当しません。

国・地方公共団体による実施

1937年に臨時資金調整法が施行され、戦時債券が発行されました。1945年には政府くじ「勝札」が発売されましたが、敗戦により「負札」と揶揄されました。現代では、当せん金付証票法に基づき、宝くじが特例的に認められています。1948年には、地方公共団体による宝くじの発売が認められました。

海外の宝くじ

海外の宝くじには、1等賞金の上限がないものもあります。高額な当選金が魅力で、日本でも海外宝くじの購入を代行する業者が存在します。しかし、刑法により、外国政府が発行する富くじの購入は日本では禁止されています。

各国の富くじ

アメリカ: 17世紀初めにイギリス植民地で富くじが行われました。その後、公共目的の資金調達として利用されましたが、19世紀には禁止されました。1964年にニューハンプシャー州で再開されました。パワーボールやメガ・ミリオンズなどが有名です。
ヨーロッパ: ユーロミリオンズなど、複数の国が参加する宝くじがあります。
* メキシコ: ロテリア・ナシオナルは、雇用創出と富の再分配を目的としています。

その他の情報

富くじは、賭博及び富くじに関する罪として刑法で規制されています。
日本では当せん金付証票法が宝くじに関する法律として存在します。
宝くじの収益は公共事業に使われ、税金と同様に公共目的に使われるため、自主的な納税と捉える学者もいます。

以上が富くじに関する詳細な説明です。

もう一度検索