ブラスバンド

ブラスバンドの概要

ブラスバンドは金管楽器を主に使用する楽団で、広く知られている吹奏楽団とは異なる編成を持っています。具体的には、ブラスバンドは金管楽器と打楽器で構成されており、木管楽器や弦楽器は通常含まれません。英語の「brass」は金管楽器を構成する主材料である真鍮（ブラス）の意を持ちます。

日本におけるブラスバンドの歴史

日本での「ブラスバンド」という言葉の使用は明治時代に遡ります。この時期から金管楽器による演奏スタイルが広まり、大正時代には「ブラス・バンド」という語が使われるようになりました。1924年の音楽辞典では、金管楽器だけから成るバンドを指すとされ、吹奏楽と区別されていることが示されています。昭和初期から新聞にブラス・バンドという表記が現れるようになり、職場や学校、青年団でのアマチュア団体が増加する中、「ブラス・バンド」という呼称が広まりました。

特に1933年の雑誌『季刊ブラスバンド』の創刊や、様々な楽器メーカーの広告における表現が普及を促進しました。昭和期には、演奏スタイルの違いから、街頭での行進に適したブラス・バンドと芸術性を重んじる学校の楽団が区別されました。しかし、戦争の影響により1940年代にはブラス・バンドという語が段々と使われなくなっていきました。

戦後の復活と変遷

戦後には「ブラスバンド」という表現が復活し、特にアメリカの視察団がのちのアマチュア吹奏楽に与えた影響により、それまでの軍楽隊的なスタイルから芸術的な方向性へとシフトしました。加えて、英国式ブラスバンドも広まり、木管楽器を含む編成の吹奏楽団は「吹奏楽」として区別されるようになりました。その後も日本の学校では「ブラスバンド部」という名称が残り、一部で伝統的な用法が続いています。

また、学校吹奏楽では「ブラバン」という略称が広く認識されており、今でも日本の楽団文化に強い影響を与えています。

海外におけるブラスバンド

英国式ブラスバンド

イギリスでは19世紀初頭から金管楽器と打楽器による楽団が組織され、コンテストも行われます。これがブラス・バンドと呼ばれるものであり、コルネット、テナーホーン、バリトン、ユーフォニアム、チューバなどの楽器から成る特有の編成が形成されています。このスタイルはオーストラリアや日本を含む多くの地域でも受け継がれています。

アメリカのブラス・バンド

アメリカでは、特に19世紀にさまざまな管楽器楽団が全国各地で結成されました。南北戦争時にはその数が急増し、多くの地域でコミュニティごとに楽団が作られるように。

ニューオリンズのブラス・バンド

ニューオリンズでは、特有の伝統が形成され、葬式のパレードなどで楽団が演奏するスタイルが根付いています。この文化は今でも続いており、初期のジャズなどにも影響を与えています。

その他の金管楽団

その他にも、植民地での軍楽隊に派遣された要因でそれぞれの地域に特有の金管楽器団体が存在し、金管楽器と打楽器を中心にした楽団は世界中に広がっています。

まとめ

ブラスバンドはその国や地域によって異なるスタイルと音楽を形成し、現代にもその影響を残しています。特に日本においては、学校や地域コミュニティで広く親しまれており、今もなおその伝統と文化は続いています。ブラスバンドの歴史と変遷を知ることで、その豊かな音楽の世界にアクセスできるでしょう。

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