プルソン

プルソンは、悪魔学において重要な位置を占める悪魔の一体です。ピュルサン、キュルソンとも呼ばれ、その名は複数の文献に登場します。

概要

『ゴエティア』によれば、プルソンは一部が力天使、一部が座天使で構成された22の軍団を率いる王として記述されています。また、『大奥義書』では、同じく悪魔であるフルーレティの支配下にあるとされています。
『ミュンヘン降霊術手引書』にもキュルソン(CursonまたはCvrson)として紹介されており、中世ヨーロッパにおける悪魔学の研究対象として、一定の知名度を持っていたことが伺えます。

特徴

プルソンは、ライオンの顔を持つ男の姿で現れるとされています。その姿は異形で、悪魔としての威厳と神秘性を感じさせます。出現の際には、手に毒蛇を持ち、熊に乗っているという描写が一般的です。さらに、常にトランペットを鳴り響かせているとも言われ、その出現は騒々しく、劇的なものとして想像されていました。

能力

プルソンは、隠された物の在り処を知る力、財宝を発見する力を持つとされています。また、過去・現在・未来に関する知識を有しており、地上の秘された物事や神学、創世に関する質問に対して真摯に答えます。知識欲が旺盛な者にとっては、非常に魅力的な悪魔と言えるでしょう。加えて、良い使い魔を与えてくれるとも言われており、魔術師にとっては頼りになる存在だったようです。

プルソンは、悪魔でありながら、知識と慈悲を兼ね備えた複雑な存在として描かれています。その特異な姿と能力は、多くの魔術師や研究者の興味を引きつけ、悪魔学の分野において重要な役割を果たしてきました。

参考文献

フレッド・ゲティングズ著、大瀧啓裕訳『悪魔の事典』青土社、1992年 ISBN 4-7917-5185-X
グスタフ・ディヴィッドスン著、吉永進一訳『天使事典』創元社、2004年 ISBN 4-422-20229-4
コラン・ド・プランシー著、床鍋剛彦訳『地獄の辞典』講談社、1990年 ISBN 4-06-201297-9
Kieckhefer, Richard, Forbidden Rites: A Necromancer's Manual of the Fifteenth Century, Pennsylvania State University Press (1998), ISBN 978-0271017518
Mathers, S.L. MacGregor and Crowley, Aleister, The Lesser Key of Solomon(1904), The Internet Sacred Text Archive 内の文書（英文）
Waite, A.E., The Book of Ceremonial Magic(1913), The Internet Sacred Text Archive 内の文書（英文）
Weyer, Johann, Pseudomonarchia Daemonum, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書（ジョゼフ・H・ピーターソン編集・解題・注釈、ラテン語原文、レジナルド・スコットの英訳）
Goetia, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書（ジョゼフ・H・ピーターソン編集、英文)

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