ペンハリガン

ペンハリガン：英国王室御用達の老舗香水メーカー

1870年、ウィリアム・ヘンリー・ペンハリガンによってロンドンで創業したペンハリガンは、英国を代表する老舗香水メーカーとして知られています。コーンウォール出身の理容師であった創業者ウィリアムは、ロンドンで宮廷理容師兼調香師としてヴィクトリア女王に仕え、卓越した技術とセンスで名を馳せました。

歴史：伝統と革新の融合

最初の店舗は、ジェルマイン・ストリートのハンマームの隣にありました。その後、セント・ジェームズ・ストリートにも店舗を構え、順調に事業を拡大していきます。1920年代後半には拠点をバリー・ストリートに移転。第二次世界大戦中のロンドン大空襲で、最初の店舗は残念ながら被災しましたが、バリー・ストリートの店舗は無事でした。

1975年、新たな転機が訪れます。シェイラ・ピックルズと映画監督フランコ・ゼッフィレッリの尽力により、コヴェント・ガーデンに新しい店舗がオープンしました。ゼッフィレッリはピックルズからの勧めでペンハリガンを買収。伝統的な香りを継承しつつ、ピックルズは新たな調香師を迎え、女性向けのフローラルな香りの作品も展開しました。この時代の代表作である「ブルーベル」は現在もベストセラーとして愛されています。

2015年には、スペインの化粧品メーカー、プーチがペンハリガンを買収。ラルチザンと共に、プーチ傘下で事業を展開しています。

店舗展開：世界中に広がる香り

現在、ペンハリガンはロンドンを中心に、コヴェント・ガーデン（2店舗）、バーリントン・アーケード、リージェント・ストリートなど複数の店舗を展開しています。また、エディンバラ、ケンブリッジ、チェスターといった英国各地のほか、パリ、ニューヨーク、香港、シンガポールなど世界各国にも進出し、グローバルなブランドとして確固たる地位を築いています。

代表的な製品：時代を超えた香り

ペンハリガンは、数多くの名香を生み出しています。

ハマン・ブーケ (1872年): ペンハリガンの最初の香水。
ブレナム ブーケ (1902年): ブレナム宮殿に住んでいたマールバラ公のために作られ、ウィンストン・チャーチルも愛用したと言われています。
ブルーベル (1978年): 今もなお愛されるベストセラー。
オーパス 1870 (2005年): ペンハリガンの創業を記念して作られた香水。
ジュニパー・スリング (2011年): FiFiフレグランス財団賞にノミネートされた男性用香水。
ヴァーラ (2013年): マハーラージャ、ガジュ・シン2世のために作られた香水。
* アイリス・プリマ (2013年): イングリッシュ・ナショナル・バレエとのコラボレーション作品。

これ以外にも、数多くの香水が時代を超えて愛され続けています。伝統的な香りに加え、現代的な感性を織り交ぜた作品も展開されており、幅広い顧客層を獲得しています。

ロイヤル・ワラント：英国王室からの信頼

ペンハリガンは、1903年にアレクサンドラ王妃から初めてロイヤル・ワラント（英国王室御用達）を授与されました。その後も、エディンバラ公とプリンス・オブ・ウェールズ（後のチャールズ3世）からロイヤル・ワラントを授与され、その品質と高い評価が証明されています。

まとめ

150年以上の歴史を持つペンハリガンは、伝統と革新を融合させた、英国を代表する香水メーカーです。洗練された香り、歴史に裏打ちされたブランド力、そして世界中に広がる店舗展開は、今後も多くの人々を魅了し続けるでしょう。

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