ペールエール

ペールエールとは

ペールエールは、イギリスを代表するビールの一つで、多くのビールファンに愛されています。その特徴は、ホップの豊かな香りと、バランスの取れた苦味です。ここでは、ペールエールの定義から歴史、種類までを詳しく解説します。

ペールエールの概要

ペールエールは、一般的にアルコール度数が4.5%から5.5%程度で、液色はダークゴールドから銅色をしています。最も特徴的なのは、ホップによる独特の香りと苦味です。特に、バス・ブリュワリーのバス・ペールエールは、ペールエールを代表する銘柄として知られています。

名称の「ペール（pale）」は「淡い」という意味を持ちます。ペールエールが誕生した当時、一般的なエールビールは液色が濃かったため、それと比較して淡い色合いから「ペールエール」と名付けられました。しかし、現代の日本のビール（ピルスナー）と比較すると、ペールエールの方が濃い色をしています。また、「ペール」には「澄んだ」「濁りがない」という意味もあり、当時の他のビールに比べて透明感のある銅色をしていたため、その名がついたという説もあります。

ペールエールの液色である琥珀色は、発祥地であるイングランドのバートン＝オン＝トレントの硬水に由来します。ペールエールを作る上で水質は非常に重要であり、ペールエールに適した水質に調整することを「バートン化（バートナイズ）」と呼びます。

ペールエールの定義

『ビアスタイル・ガイドライン1208』では、イングリッシュ・ペールエール（スタンダード）は以下の様に定義されています。

IBU（国際苦味単位）：25から35
SRM（Standard Reference Method、液色の指標）：4から14

ペールエールの歴史

ペールエールの歴史は、イングランドのバートン＝オン＝トレントで始まりました。この地では古くから修道院でビールが醸造されており、1630年頃にはバートンエールが誕生しました。このバートンエールこそが、ペールエールの元祖と言われています。

1697年、イギリスではビールの原料となる麦芽への課税が始まりました。この課税を避けるため、醸造家たちは新たな製法を模索し、その結果、ホップの使用量を増やしたペールエールが誕生しました。ホップを多く使用することで、節税しながらも風味豊かなビールを作ることが可能になったのです。

ペールエールの種類

ペールエールには、様々な種類があります。代表的なものを紹介します。

アメリカン・ペールエール

アメリカ産のホップを使用して、アメリカ人向けにアレンジされたペールエールです。イングリッシュ・ペールエールに比べて、ホップの香りがより強く、苦味も際立っています。アメリカらしい、大胆で個性的な味わいが特徴です。

インディア・ペールエール（IPA）

18世紀末、イギリスからインドにビールを輸出するために開発されたペールエールです。長期の航海に耐えられるよう、通常のペールエールよりもアルコール度数を高くし、ホップを大量に投入しました。これにより、防腐効果を高めるとともに、独特の風味と苦味が生まれました。現代では、IPAとして独自のスタイルを確立しており、世界中で愛されています。

ペールエールは、その多様な風味と歴史的背景から、奥深いビールの世界を楽しむための入り口として最適です。ぜひ、様々なペールエールを試して、自分好みの味わいを見つけてみてください。

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