ボートピア釧路

ボートピア釧路の歴史と概要

ボートピア釧路は、北海道白糠町にあり、宮島競艇施行組合が運営していた競艇の場外発売場です。1989年5月、東京の経営コンサルタント会社が白糠町に競艇や競輪の場外発売場を新設する提案をし、その後千葉清町長が建設の意向を示しました。この動きは、モーターボート競争法施行規則の改正によって場外発売場の制度が整ったことを背景にしています。

その後、1991年6月には宮島競艇場の場外発売場設置が公式に表明され、1992年には町長選挙の争点となりました。賛成派の千葉氏が再選したことで、ボートピアの建設が進められました。1993年7月に着工し、1994年4月22日に竣工したこの施設は、北海道初の競艇場外発売場として、同年4月23日に開業しました。

ボートピア釧路では、宮島競艇場のレース映像をデジタル圧縮し、衛星通信を利用して視聴者に届けました。この方式は地上回線を利用するよりもコストがかからず、年間180日のレースを販売したとされています。

当初の運営計画では、1日あたりの売上高を1900万円、来場者を770人と見込んでいましたが、現実は厳しく、初年度の平均売上は535万円、来場者は263人に過ぎませんでした。この結果、約18億円の累計赤字を抱えることになり、競馬や競輪など他のギャンブル施設との競争が厳しく、発展の見込みが薄いことから、宮島競艇施行組合は1999年4月に撤退の方針を決定しました。最終的にボートピア釧路は、開業からわずか5年余りで閉鎖に至りました。これは全国で初めての事例です。閉鎖後、所有者が町税を滞納しているため、白糠町は2001年に土地と建物を差し押さえました。

その後の経過として、2024年9月9日に行われた町議会では、旧ボートピア釧路の建物の所有者との連絡が取れないことが報告されました。その結果、撤去や活用の確定が難しい状況で、税滞納額は1998年度から2020年度までの期間で1億1900万円に達しています。

施設概要

ボートピア釧路は、総工費26億円を掛けて建設され、敷地面積は15,817平方メートル、延床面積は2000平方メートルという広さを持ち、鉄筋コンクリート造の平屋一部2階建てでした。館内には160インチの16面マルチビジョンや、2連式テレビが12基設置されていました。これらは帯広市の不動産会社「ヤマクラ」から賃貸されていました。

アクセスと関連情報

ボートピア釧路へのアクセスは、JR庶路駅、大楽毛駅から約8kmです。また、閉鎖後は「ボートピア釧路」バス停が「釧白団地」に改称されました。営業日には釧路駅からの無料バスも運行されていました。さらに、FMくしろの番組「夕焼けストリート」では、ボートピア釧路に関連したコーナーが放送されていました。

このような歴史を持つボートピア釧路は、競艇場外発売場としての先駆けとなりましたが、様々な要因で困難な運営を強いられた施設としても知られています。

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