ポテト丸

ポテト丸について

ポテト丸（ポテトまる）は広島県呉市に本拠を置く有限会社エヴァラインが所有している馬鈴薯運搬船です。この船は、北海道産のジャガイモを主に輸送しており、カルビーポテトチップスの生産に重要な役割を果たしています。また、ジャガイモのオフシーズンには、コンテナ貨物やプラント設備など、幅広い貨物の輸送も行っています。

歴史

ポテト丸が関与する事業の背景には、菓子業界のリーダーであるカルビーの原料調達に対する取り組みが存在します。1980年、カルビーの子会社であるカルビーポテト株式会社が設立され、1984年には世界初の馬鈴薯運搬船「カルビーポテト丸」が操業を開始しました。
初代ポテト丸は、三浦造船で建造され、エネルギー効率を高めるために帆装が施されていました。1999年には2代目の「カルビーポテト丸」が新たに建造され、総トン数499トン、全長81メートルの船体となりましたが、2013年に海外に売却されました。
現在の実質的な3代目であるポテト丸は、2017年7月に愛媛県今治市にある波方造船所で建造され、同年8月には初めて860トンのジャガイモを北海道の十勝港から広島県廿日市市のカルビー広島工場に向けて出荷しました。

特徴

ポテト丸は、先代の2隻と同様に貨物室の断熱構造や換気・空調設備を備えており、定温輸送が可能です。ジャガイモは通気性のある特殊なケースに詰められた後、フラットラックやコンテナに積まれ、輸送されます。この船のコンテナ船としての搭載能力は199TEUです。

航路

ポテト丸は主に夏から冬にかけて、北海道の広尾町にある十勝港から広島港、または鹿児島県鹿児島市の谷山港に向かってジャガイモの輸送を行っています。ジャガイモの輸送がない季節には、海上コンテナやプラント貨物の輸送を行い、年間を通じて安定した運航が維持されています。

ポテト丸は、ジャガイモの首都圏への輸送を通じて、食品業界のニーズに応えながら、様々な貨物の取扱いに対応するなど、その運航は非常に多岐にわたります。

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