ポレンタ

ポレンタ (Polenta)

ポレンタは、イタリア料理の一つで、粗挽きのトウモロコシ粉を粥状に煮込んだものです。イタリア語では「polenta」と表記され、[poˈlen.ta]と発音します。類似の料理は南ヨーロッパや東ヨーロッパの山岳地帯にも広く分布しており、地域によって様々な名前で呼ばれています。

クロアチア: ジュガンツィ (žganci [ˈʒɡǎnt͡si])
ルーマニア、モルドバ: ママリガ (mămăligă [məməˈliɡə])
ハンガリー: プリスカ (puliszka [ˈpuliskɒ])
ザクセン (ルーマニア領トランシルヴァニア方言): Palukes

歴史

ポレンタの起源は、小麦の生産に適さない北イタリアの寒冷な山岳地帯で、主食として食べられてきたことにあります。その原型は、古代ローマの粥「プルス」(puls [pʊɫ̪s̠]) または「プルメントゥム」(pulmentum [pʊɫ̪ˈmɛn̪t̪ʊ̃ˑ]) でした。当初はファッロ（コムギの一種）や黍、クリの実の粉などを材料としていましたが、15世紀にトウモロコシがヨーロッパに持ち込まれてから、主要な材料がトウモロコシに置き換わりました。当初は農民の食事でしたが、次第に一般の人々にも好まれる料理となっていきました。

製法

ポレンタを作る際には、沸騰した湯やだし汁に粗挽きのトウモロコシ粉を少しずつ加え、焦げ付かないように混ぜながら煮詰めます。調理の際に塩、オリーブオイル、バターなどを加えて味を調えるのが一般的です。プリモ・ピアット（第一の皿）として、パスタやリゾットの代わりに提供され、出来上がったポレンタにソースやチーズをかけて食べます。また、冷めて固くなったポレンタは、薄く切って焼いたり、油で揚げたりして食べることもあります。

伝統的な製法では、約1時間かけてかき混ぜながら作りますが、現在ではスーパーマーケットなどでインスタント食品のポレンタも手軽に入手できます。

種類

ポレンタには、主に黄色いトウモロコシ粉を使ったものと、白いトウモロコシ粉を使ったものがあります。一般的に、イタリアの西側に行くほどポレンタは固くなる傾向があります。また、少数ですが、ソバの実やクリの粉を使ったポレンタも作られています。

文学作品への登場

リザ・テツナーの児童文学作品『黒い兄弟』の第一部「ほお傷の男」に、ポレンタが登場する場面があります。

脚注

トウモロコシ粉の料理の一覧（英語）
粥の一覧（英語）

外部リンク

イタリアのポレンタ - イタリアローマ特派員ブログ 地球の歩き方
POLENTA ポレンタ

もう一度検索