マインド・ゲームス

アルバム『マインド・ゲームス』の紹介

『マインド・ゲームス』（英語: Mind Games）は、1973年にリリースされたジョン・レノンのアルバムで、当初邦題は『ヌートピア宣言』でした。イギリスでは6位、アメリカでは9位を記録するなど、商業的にも成功を収めた作品です。

アルバムの背景

このアルバムは、レノンが前作『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』から約1年ぶりに発表したもので、前作は政治的なメッセージが強調されていたため、商業的には不振に終わりました。そのため、レノンは音楽的により広い聴衆に受け入れられやすい作品を制作することを目指しました。彼はニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにあるアパートでデモ音源の制作に取り掛かりました。

当時、レノンはアメリカ滞在中に直面していた数多くの問題に苦しんでいました。強制退去の問題や、政治活動に関連した理由で連邦捜査局による監視下に置かれていたのです。しかしそんな状況の中でも、彼はわずか1週間という短期間でアルバムに収録される全曲を作り上げました。

収録曲と参加メンバー

アルバムには、「The Plastic U.F.Ono Band」というバックバンドが参加しています。このバンドには、ギターのデヴィッド・スピノザ、ベースのゴードン・エドワーズ、キーボードのケン・アッシャー、ドラムのジム・ケルトナー、パーカッションのアーサー・ジェンキンス、サックスのマイケル・ブレッカー、コーラスのサムシング・ディファレンスが含まれています。

収録曲は以下の通りです：

Side 1

• - マインド・ゲームス - Mind Games
• - タイト・A$ - Tight A$
• - あいすません - Aisumasen (I'm Sorry)
• - ワン・デイ - One Day (At a Time)
• - ブリング・オン・ザ・ルーシー - Bring on the Lucie (Freda Peeple)
• - ヌートピア国際賛歌 - Nutopian International Anthem

Side 2

• - インテューイション - Intuition
• - アウト・ザ・ブルー - Out the Blue
• - オンリー・ピープル - Only People
• - アイ・ノウ - I Know (I Know)
• - ユー・アー・ヒア - You are Here
• - ミート・シティ - Meat City

さらに、2002年の再発売盤にはボーナストラックとして以下の曲が収録されています：

• - あいすません（ホーム・ヴァージョン） - Aisumasen (I'm Sorry) = Home Version
• - ブリング・オン・ザ・ルーシー（ホーム・ヴァージョン） - Bring on the Lucie (Freda Peeple) = Home Version
• - ミート・シティ（ホーム・ヴァージョン） - Meat City = Home Version

プロデュース

このアルバムはレノン自身によってプロデュースされ、以前からのプロデューサーであるフィル・スペクターは関与していません。併せて、アルバムの制作と並行して、レノンとオノ・ヨーコの別居も始まり、個人的にも非常に困難な時期だったことが伺えます。

まとめ

『マインド・ゲームス』は、ジョン・レノンが自身の音楽的表現を試みながら、同時に個人の葛藤とも向き合った重要なアルバムです。多彩な音楽スタイルが融合したこの作品は、レノンのメッセージを多くのリスナーへ届けることに成功しました。アルバムの全体に広がる深いテーマ性と独創性は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索