モバイルアダプタGB

モバイルアダプタGBの概要

モバイルアダプタGB（通称MBGB）は、携帯電話とゲームボーイカラー、またはゲームボーイアドバンスをつなぐための周辺機器です。このアダプタを使用すると、ゲームソフトのデータに加え、メーカーが提供したデータやプレイヤーがアップロードしたデータとの通信が行えます。これに関連するサービスが「モバイルシステムGB」であり、サービスは2001年1月27日から2002年12月14日まで行われていました。

サーバを利用しないP2P（ピアツーピア）形式の通信は、当初はY!mobileのPHSを経由して利用可能でしたが、2021年にはPHSサービスが終了したため、現在ではその機能は失われてしまいました。最初は携帯電話専門店などでのみ取り扱われていましたが、後にゲームボーイソフト『モバイルゴルフ』とのセット販売が一般市場でも展開されました。現在、モバイルアダプタGBは、そのサービスが終了してしまったため、中古市場でのみ入手可能となっています。

通信方法

モバイルアダプタGBには大きく分けて二つの通信方法があります。

みんなでモバイル

この方法は、モバイルシステムGBの専属プロバイダであったDIONを通じて、専用サーバに接続する際のものです。しかし、このサービスは既に終了しているため、現在は使用できません。利用するには、DIONの専用コースに登録が必要で、登録料や通話料がかかる仕組みでした。ゲーム内操作は接続した携帯電話と連動し、通話によってデータをダウンロードすることが可能でしたが、通信費が高くつくこともあり、利用者は慎重に使っていたようです。アップロードされるデータには、育てたキャラクターやゲーム内の記録なども含まれ、他のプレイヤーと競い合う要素もありました。

ともだちとモバイル

こちらはプレイヤー同士の直接通信で、P2P形式に分類されます。この場合は二台の電話を直結する形で、ゲーム内の通信機能を利用して連絡を取ります。サーバを介さないため、通常の通話料のみで利用でき、サーバのサービス停止後も長く通信が行えました。しかし、近年の携帯通信技術の進化により、現在ではこの通信方法を利用することはできません。

通信規格

モバイルアダプタGBは回線交換方式 (ASYNC) に基づいて通信が行われ、伝送速度は利用する携帯電話の機種によって異なります。

ハードウェア

モバイルアダプタGBは、主に三つの異なる機種が存在します。

1. 青色: デジタル携帯電話 (PDC) 対応で、最大伝送速度は9.6kbpsですが、現在は利用できません。
2. 黄色: cdmaOneに対応しており、最大伝送速度は14.4kbpsです。しかし、対応機種が限られており、現在は様々なサービスが終了しています。
3. 赤色: αPHS規格に対応し、最大伝送速度は32kbpsです。このサービスも段階的に終了し、2021年には完全に利用できなくなりました。

同通信方式の詳細は、黒色と赤色の機器同士でしか原則通信できませんが、例外的に青色から黄色への接続が可能です。

対応ソフト

モバイルアダプタGBでは、いくつかのゲームソフトが対応しています。例えば、モバイルトレーナーやポケットモンスター クリスタルバージョン、モバイルゴルフなどがあります。これらのソフトは、ゲームや電子メールの送受信が可能で、特別なコミュニティを形成していました。

関連項目

モバイルアダプタGBは、任天堂が展開した通信サービスの一環であり、他にも任天堂のサテラビューやNintendo Switch Onlineなど、さまざまなオンラインプレイの基礎を作りました。今となっては、懐かしい存在として取り上げられることも多いです。

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