ヤスパー・ヴィーセ

ヤスパー・ヴィーセ（Jasper Wiese）は、1995年10月21日生まれ、南アフリカ共和国出身のプロラグビーユニオン選手です。フォワード第三列のナンバーエイト（No.8）を主なポジションとし、パワフルなボールキャリーと堅実なタックルで知られています。世界最高峰の舞台で実績を重ね、現在は日本のジャパンラグビーリーグワンに所属する浦安D-Rocksでプレーしています。

ヴィーセ選手のラグビーキャリアは、母国南アフリカでスタートしました。高校卒業後、フリーステート・チーターズのアカデミーで育成を受け、並行してCUT（Central University of Technology）の大学チームでも経験を積みました。早くからその才能は注目され、2015年のU20ワールドラグビーチャンピオンシップに向けた南アフリカ代表候補にも選ばれましたが、最終メンバー入りはなりませんでした。

その後、グリフォンズでのプレーを経て、2017年に南アフリカの主要プロチーム、フリーステイト・チーターズに加入しました。同年には、彼らが参戦していた国際リーグであるプロ14（現ユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ）でもデビュー。トップレベルでの経験を積み重ね、着実に選手としての幅を広げていきました。

2020年、ヴィーセ選手はイングランド・プレミアシップの強豪、レスター・タイガースへと活躍の場を移します。イングランドでのハイレベルな環境は彼をさらに成長させ、世界的なナンバーエイトとしての評価を確立しました。レスターでの傑出したパフォーマンスが認められ、ついに南アフリカ共和国代表、「スプリングボクス」への選出という栄誉を手にします。

2021年7月2日、ジョージア代表戦で南アフリカ代表として記念すべき初キャップを獲得。以降、スプリングボクスの重要な戦力として定着しました。そして、ラグビー界最大の祭典であるラグビーワールドカップ2023では、見事優勝を果たした南アフリカ代表の一員として大活躍。主にナンバーエイトとして、決勝戦を含む5試合に出場し、その力強いプレーでチームの世界一に大きく貢献しました。

世界チャンピオンチームの主力選手となったヴィーセ選手は、新たな挑戦の舞台として日本を選択。2024年7月、ジャパンラグビーリーグワンの浦安D-Rocksへの加入が発表されました。日本のラグビーファンからの期待が高まる中、同年12月22日に行われたリーグワン公式戦、三菱重工相模原ダイナボアーズ戦で、控えのナンバーエイトとして出場し、日本での公式戦デビューを飾りました。

しかし、日本でのキャリアを始めた矢先、ヴィーセ選手は負傷に見舞われました。2025年4月10日、怪我の治療に専念するため、浦安D-Rocksの出場選手登録から抹消されることが発表されました。残念ながら今シーズンの復帰は叶いませんが、チームからの情報によれば、次の2025-26シーズンでの復帰を目指しているとのことです。

現在は懸命なリハビリに取り組んでいるヴィーセ選手ですが、世界トップクラスで培ったフィジカルと経験は、浦安D-Rocks、そしてリーグワンに計り知れない影響を与えるポテンシャルを持っています。一日も早い回復と、再び日本のピッチでその迫力あるプレーを見せてくれる日が来ることを多くのファンが待ち望んでいます。

もう一度検索