ヤングマガジンアッパーズ

ヤングマガジンアッパーズ

『ヤングマガジンアッパーズ』は、1998年4月1日に創刊された講談社の漫画雑誌です。2004年の休刊まで、様々な漫画作品を紹介し続け、多くの読者に愛されました。発行は創刊当初は毎月第1・第3水曜日で、最終的には毎月第1・第3火曜日に変更されました。

創刊から休刊までの道のり

この雑誌は、1980年に創刊された『週刊ヤングマガジン』の姉妹誌として誕生しました。創刊当初は非常に勢いがあり、イメージキャラクターには松本恵（現・松本莉緒）が起用され、大規模な広告やプレゼントキャンペーンが展開されました。しかし、雑誌の発行部数は徐々に減少していき、2004年の休刊時には、公称発行部数は18万部にまで落ち込みました。

休刊の理由については、当時の『週刊少年マガジン』の編集長が、「現状を維持するよりも、他の選択肢を優先した」と述べています。このように発行部数が安定していた一方で、時代の流れに逆らうことはできなかったといえるでしょう。

特徴的なコンテンツ

『ヤングマガジンアッパーズ』は、他の漫画雑誌とは一線を画する特徴を持っていました。特にグラビアコーナー「Uppers' Uppercuts!!」を設けたことは話題となりました。漫画とグラビアの両方を楽しむスタイルは、多様な読者層を引きつけた要因と考えられます。

連載作品の多様性

多くの連載作品が掲載されており、その中には、若杉公徳の『アマレスけんちゃん』や、原作が佐木飛朗斗、漫画が桑原真也の『R-16』などがあります。特に『R-16』は最終号では『週刊ヤングマガジン』に移籍し、続けて人気を博しました。その他にも、長年読者から支持を受けた作品が多く、例えば、榎本俊二の『映画でにぎりっ屁!』や、夢枕獏原作の『餓狼伝』などが挙げられます。また、特撮やファンタジー、恋愛を扱った作品も多数あり、バラエティ豊かなラインアップが特徴でした。

アッパーズKCと新人賞

『ヤングマガジンアッパーズ』では、掲載作品をまとめたアッパーズKCという漫画単行本レーベルも運営されていました。初回の配本は『鋼-HAGANE-』や『まんちょくスナイパーとどめ』などの作品があり、読者に深く支持されていました。

さらには、「UPPERS勝新人漫画賞」という新人賞も設けられ、新進気鋭の作家たちを輩出しました。この賞の受賞者には、はっとりみつるや吉永裕介などの著名な漫画家が名を連ねています。

有害指定の経緯

2004年には、一部の作品が青少年に有害な図書として指定される事態も発生しました。特に鳥取県が県青少年健全育成条例に基づき、『ヤングマガジンアッパーズ』の17号を有害図書として指定。これは雑誌の影響力や社会的責任についての議論を引き起こしました。

まとめ

『ヤングマガジンアッパーズ』は、その短い歴史の中で多くのファンに支持され、降下する発行部数の中でも一定の人気を維持していました。漫画界において特異な存在感を放ち、今でもその記憶は多くの読者にとって残っています。

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