ユーロビート

ユーロビート (Eurobeat) とは

ユーロビートは、1980年代後半に主に電子楽器を用いて制作されたダンス・ミュージックの一種で、特に速いテンポが特徴です。その起源は、 1970年代のユーロ・ディスコやイタロ・ディスコ、ハイ・エナジー音楽にさかのぼります。

歴史的背景

ユーロビートの前身ともいえるユーロ・ディスコは、1970年代にヨーロッパのダンスシーンで流行しました。その後、1980年代には、イタリアのジョルジオ・モロダーやドナ・サマーらの影響を受けた音楽が誕生し、様々なアーティストによって洗練されていきます。特にシルバー・コンベンションなどの西ドイツのグループがヒットを飛ばし、ユーロ・ディスコが国際的な人気を得るようになりました。

1983年にはヤマハがDX7というフルデジタル・シンセサイザーを発売し、シンセサイザーによるサウンド制作が広がりました。その結果、Hi-NRGという新たなジャンルが登場し、BPM110以上のディスコミュージックが流行します。これにより音楽雑誌『レコード・ミラー』は、これら音楽を「ユーロビート」と名付け、新たなチャートを設立しました。

日本における発展

ユーロビートは1980年代半ばから日本でも紹介され、特にディスコで広がります。アルファレコードがリリースした『ザッツ・ユーロビート』シリーズは、人気を決定づける役割を果たしました。この時期、日本製のユーロビートも数多く制作され、日本独自の発展を遂げました。特に「パラパラ」というダンス文化と結びつき、ユーロビートは日本の音楽シーンでも深く根付きました。

1990年代から2000年代初頭にかけては、アニメ『頭文字D』や音楽ゲームがユーロビートを取り入れ、その結果再び人気を集めることになります。このように、ユーロビートは日本の音楽文化の一部として進化し続けてきました。

使用される機材と音楽スタイル

ユーロビートでは、シンセサイザーやドラムマシンを使用することが重視されます。テンポは一般的にBPM120以上で、曲の構造によりさまざまなスタイルが見られます。独特のシンセリフフレーズが曲の重要な要素となり、音楽の印象を大きく左右します。特に1990年代以降は、より高速な楽曲が多くなり、サウンドも複雑化しています。

代表的なアーティストと曲

多くのアーティストがユーロビートのシーンで活躍しており、カイリー・ミノーグやバナナラマ、デッド・オア・アライヴなどの曲は特に有名です。また、日本では安室奈美恵やMAXといったアーティストがユーロビートを歌うことが多く、国際的な評価も受けています。

まとめ

ユーロビートは、1980年代からの長い歴史を経て、日本を中心に独自の発展を遂げた音楽のジャンルです。現代においても、その影響は世界中で見ることができるため、今後も注目が集まることでしょう。

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