よーいドン

『よーいドン』の概要

『よーいドン』は、1982年10月4日から1983年4月2日まで放送されたNHKの連続テレビ小説で、第30作目にあたります。本作は全153回放送され、昭和初期の大阪を舞台に、裕福な家庭から転落する女性の物語を描写しています。主人公の浦野みおは、家業の倒産によって人生が大きく変わり、道頓堀の芝居茶屋や舞鶴の駅弁屋での生活を経験しつつ、マラソンランナーとして波乱万丈の人生を歩んでいく様子が描かれています。

主演とキャスト

主演は藤吉久美子で、彼女にとってこの作品がドラマデビューとなりました。藤吉のキャラクターは、家族や友人、恋人に囲まれながら、自身の夢と希望を追い求める姿を見せます。放送初回の視聴率は32.7％、最高視聴率は43.1％を記録し、平均視聴率は38.8％（関東地区を対象）と高い数字を残しました。

本作には、多彩なキャストが参加しており、藤吉の家族を含む多くの重要な役どころが登場します。みおの父・浦野徳之助役を演じるのは山田吾一、母・たま子には馬渕晴子がキャスティングされています。また、藤吉の弟・健之助は坂東正之助が演じ、後に曽我廼家文童が夫・時田栄市役として彼女の人生に関わるキャラクターを演じます。特に、栄市の母であるせい役には南田洋子が配役されています。

物語の舞台設定

物語は、みおの家族が直面する困難から始まり、彼女がどのようにして自分の立場を変えていくのか、また成長していくのかに焦点が当てられています。道頓堀の芝居茶屋では、彼女が新たな出会いや経験を通じて自身を見つめ直す場面が描かれ、舞鶴の駅弁屋では、様々な人々とのふれあいを通じて知恵や勇気を得ていきます。

さらに、物語の進行において、マラソンという要素も重要な役割を果たします。藤吉のランニングフォームの指導は、大谷女子大学の真保正子教授によって行われ、彼女自身が1932年のロサンゼルスオリンピックで女子やり投げの競技者として活躍したことも影響しています。このように、実在の人物とのつながりが、物語のリアリティを高めています。

スタッフ

制作は杉山義法が手掛け、音楽は高山光晴が担当しました。演出は樋口昌弘、語りは真屋順子が行い、作品全体のクオリティを高めるシーン作りが施されています。様々なジャンルの音楽も、物語の雰囲気を引き立てます。

『よーいドン』は、単なるテレビドラマ以上の意義を持ち、人生の困難に立ち向かう女性の姿を通じて、多くの視聴者に希望や勇気を与える作品です。

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