ラジエル

ラジエル - 神の神秘を守る天使

ラジエル（Rasiel）は、その名が意味する通り「神の神秘」を象徴する天使であり、エノク書に登場します。彼にはラツィエル（Ratziel）、ガリズル（Gallizul）、サラクエル（Saraquel）といった異名もあり、それぞれの名前には深い象徴的意義があります。ラジエルは七大天使の一人とされ、特に座天使の長として神々しい地位を持っています。

彼の重要な役割は、神の玉座を取り囲むカーテンの中に立ち、全てを見守り、聞き知ることです。この特性によって、ラジエルは他の天使たちとは異なる神秘的な知識を持つ存在となっています。彼は地上と天界の隠された秘密を知っており、宇宙に存在するすべての神秘について幅広い知識を有しています。

ラジエルの持つ知識は、彼自身がまとめた書物「ラジエルの書」に記されています。この書物は「セファー・ラジエール（Sefer Rasiel）」としても知られ、彼の知識の集大成として重宝されています。この書は、実際には楽園を追放されたアダムに与えられたとされますが、他の天使たちに嫉妬された結果奪われ、海に投げ捨てられてしまいました。しかし、神の命を受けたラハブによってその書は回収され、再びアダムの手に戻ることができました。

さらに、ラジエルの書は歴史的にエノク、ノア、ソロモン王といった著名な人物にも授けられ、彼らがこの知識をもとに重要な決断を下したと伝えられています。このように、ラジエルの書は単なる文書以上の存在であり、神秘的な知識を通じて人々に大きな影響を与えてきたのです。

ラジエルはまた、ラグエルとも同一視されることがあります。これは彼らの神秘と知識に関する共通点から来ていると考えられます。ラジエルは『生命の樹』の第二のセフィラを守護しており、対応する天球は天王星です。この神秘的な座標は、ラジエルの役割が宇宙的な秩序と調和に関連していることを示しています。

ラジエルに関する研究は、例えば真野隆也の著書『天使』や、PHP文庫から出版されている『「天使」と「悪魔」がよくわかる本』などに触れられています。これらの文献は、ラジエルや他の天使たちの特徴、役割、関係性についてより深く理解するための貴重な情報源です。

このように、ラジエルは神秘と知識の象徴として、聖なる存在の中でも特別な地位を占めています。彼の知識は、神とのつながりや宇宙の真理を求める人々にとって、永遠の財産となるでしょう。

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