ラペル

ラペルの概要

ラペル（英: lapel）は、洋服のカラー部分に続いている身頃の折り返し部分を指し、一般的に「下襟」とも呼ばれます。ここでは、ラペルの種類やデザイン、そしてその起源について詳しく説明します。

ラペルの外見

ラペルにはいくつかの種類があり、それぞれ特有のデザインがあります。以下に主なラペルのスタイルをご紹介します。

ノッチドラペル

通常、菱形をしたノッチドラペルは、最も一般的な形状です。シングルスーツに多く見られ、あらゆるシーンに適応するため、特にオーソドックスな選択とされています。

セミピークドラペル

セミピークドラペルは、ノッチドラペルとピークドラペルの中間に位置するスタイルで、どちらの特性を持つバランスの取れたデザインです。

ピークドラペル

ピークドラペルは先端が上向きで、ドレッシーなスタイルに相応しく、ダブルスーツでよく見られます。特に燕尾服などの礼装に用いられることもあります。このスタイルは、剣襟とも称されることがあります。

ローリングダウンラペル

このスタイルは、第一ボタンが襟を折り返す形でデザインされています。個性的な印象を与えることができます。

ショールカラー（へちま襟）

上襟とラペルが一体化しているショールカラーは、主に礼服に利用されます。タキシードや、特に夜の慶事で使用されることが多いです。また、カーディガンにも同様のスタイルが見られることがあります。

マオカラー

このカラーは、一般的に立襟のデザインで、人民服や学生服に似たスタイルが特徴です。マオカラースーツには独特の衿が用いられています。

ラペルの幅

ラペルの幅にも様々な種類があります。

• - ナローラペル: 幅が5cmから7.5cm程度の細いラペルです。
• - レギュラーラペル: 8cmから8.5cm程度の幅を持つ、一般的なスタイルです。
• - ワイドラペル: 太めで、9cmから11cm程度の幅を持つことが多いですが、時には12cmから13cmの非常に太いものもあります。このスタイルは風による影響を受けにくく、しっかりとした作りのものが多いです。

これらのラペルの幅は、上着のラペルとワイシャツの衿、ネクタイの幅を合わせることで、全体の見た目を整える役割があります。

ラペルの語源

ラペルという言葉は、古英語の「laeppa」（布の切れ端を意味する）に由来しています。このことからも、ラペルが持つ素材的側面やデザインの多様性を示唆しています。

ラペルホールの存在

ラペルには「ラペルホール」という特別な穴が左側に存在し、社章やピンズ、花飾りなどを取り付けることができます。このラペルホールの起源については、いくつかの説があります。中でも有名なエピソードは、ザクセン公アルバート王子が妻であるイギリス女王ヴィクトリアから花を贈られたとき、スーツに穴を開けてそれを身につけ、そのアイデアが広まったというものです。また、温暖な季節に若干の機能的な役割を果たすために、首元のボタンを外してラペルに留めることもありました。さらに、帽子を風から守るための特徴としての役割も持たれていたとも言われています。

このように、ラペルは単なる装飾的な要素に留まらず、ファッションとしての機能を果たしている重要な部位なのです。

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