リチャードジノリ

ジノリ1735（GINORI1735）について

ジノリ1735は、イタリアの総合陶磁器メーカーで、旧社名はリチャードジノリ（RICHARD-GINORI）です。この企業は1735年に、トスカーナ大公国のカルロ・ジノリ侯爵によって設立されました。創業当初、彼はフィレンツェ県のドッチアに磁器窯を開き、イタリアの陶磁器業界に新たな風を吹き込みました。

当時のイタリアではマヨリカ陶器が主流でしたが、ジノリ侯爵はマイセンやウィーン窯といった名窯に対抗するため、自ら原材料の探索や陶磁器の製造技術に関する研究に力を入れました。その結果、イタリア初の白磁を完成させることに成功しました。開窯当初は、豪華で精緻な作品が制作され、その技術力は高く評価されました。

歴史と成長

1896年、ジノリはミラノのリチャード製陶社と合併し、リチャードジノリとなりました。さらに1956年には、ラヴェーノのイタリア陶磁器会社とも合併し、イタリア最大の陶磁器メーカーへと成長を遂げました。ジノリ1735の代表的な作品には、「ベッキオホワイト」や「イタリアンフルーツ」があり、特に「ベッキオホワイト」は常に愛される定番となっています。また、「オリエントエクスプレス」は、オリエント急行の車内で使用される特別なデザインの食器で、ブルーの車体と同色にデザインされたエンブレムが印象的です。

グッチ傘下への移行

しかし、ジノリは2012年に多額の負債と金融危機によって経営が厳しくなり、同年7月には陶磁器の製造を停止せざるを得なくなりました。さらに、2013年1月にはフィレンツェの裁判所から破産宣告を受け、身売り交渉が行われました。

その後、2013年4月にはグッチが1300万ユーロでリチャードジノリの買収を提案し、同月末にこの買収が承認されました。これにより、リチャードジノリはグッチの子会社GRG S.r.l.（グッチリチャードジノリ）として新たなスタートを切ることとなりました。なお、便器や洗面台といったサニタリー製品は分社化され、Pozzi-Ginori社が担当しています。

2020年には、社名をジノリ1735に変更したことで、新しいブランド戦略を打ち出しました。今日は、ジノリ1735の製品は、伝統窯業の技術を駆使しながら、現代の生活にもマッチしたデザインで知られ、世界中の多くの人に愛されています。

代表作

• - ベッキオホワイト - シンプルで美しい白磁の作品。
• - イタリアンフルーツ - トスカーナの貴族のために作られた名作。
• - アンティックローズ - 美しい花のモチーフが特徴的。
• - オリエントエクスプレス - 列車の車内で使用される特別なデザインの食器。

ジノリ1735は、陶磁器の歴史において重要な役割を果たしてきた企業であり、その技術とデザインは、多くの人々に長年にわたって愛され続けています。

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