リーブル

リーブルの歴史とその役割

リーブル（仏：livre）は、フランスにおいて1795年まで使用されていた通貨とコインの名前であり、同時に質量の単位としても用いられていました。本記事では、リーブルの通貨としての側面と質量の単位としての変遷を詳述します。

通貨としてのリーブル

リーブルという名称は、古代ローマの通貨である「リブラ（libra）」に由来しています。このリブラは、イタリアでは「リラ（lira）」、イングランドでは「ポンド（pound）」となりました。特にイングランドのポンドは、記号「£」にリブラの頭文字が残されていることから、「フランスポンド」や「フレンチポンド」とも呼ばれることがあります。

フランスでは、リーブルは貨幣制度の一部として存在しており、複数の異なる通貨が混在していました。具体的には、1リーブルは20ソル（スー）または240ドゥニエに相当していました。また、ブルボン王朝の時代においても、リーブルはさまざまな基準の通貨と並行して使われており、1リーブルはおおよそ1/6から1/3エキュに対応していました。エキュは銀貨、そしてルイ・ドール（金貨）に対しては1/40から1/20の価値を持っていました。

フランス革命の影響で、1795年にリーブルはフランという新たな通貨に統合され、また補助通貨としてサンチームが設けられました。この変更により、80フランは81リーブルという換算がなされ、1フランは約1リーブルとされています。このように、リーブルはその後もフランの俗称として利用されることもありました。

質量の単位としてのリーブル

リーブルは、質量の単位としても重要な役割を果たしていました。リーブルという言葉は「リブラ」や「ポンド」と同様に、質量の単位を指します。時代や地域によってその重さは異なりましたが、最終的にはメートル法によって1リーブルは0.5キログラムに統一されました。この単位は、今日でも食品などの計量に使用されています。

特に、500グラムを「リーブル（livre）」、250グラムを「ドゥミリーブル（demi-livre）」と呼ぶ慣習があります。記号は「l」で表されます。リーブルの重量は長い間にわたり変皇してきました。例えば、14世紀から18世紀末にかけては、パリで489.5グラムとされていましたし、1778年までアミアンでは458.9グラム、北フランスの多くの都市では428.31グラムとしていました。

最終的に、1840年1月1日に正式に0.5キログラム（500グラム）と定義されるまで、リーブルの定義には多くの変遷がありました。1800年には1,000グラムと定義されたものの、その後1812年には500グラムに落ち着き、1840年まで正式な導入がされていない状況が続きました。

結論

リーブルは、通貨としての歴史と共に質量の単位としても重要な役割を果たしてきました。フランスの経済と文化において、リーブルは多面的な意味を持ちながら、時代の変遷と共に進化してきました。

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