ルーズソックス

ルーズソックスとは

ルーズソックスは、アメリカ製の登山用靴下「ブーツソックス」を起源とする靴下です。日本の女子高生の間で制服ファッションとして広まり、独自の進化を遂げました。

概要

日本では、主に女子高生の間で制服をアレンジするファッションとして長らく愛用されてきました。ルーズソックスという名前は、靴下の履き方が「ルーズ」であることに由来すると考えられていますが、正確な語源は不明です。色は主に白が一般的ですが、後に黒やピンクなど様々な色のものが登場しました。

ルーズソックスは、ローファーやスニーカーなど様々な靴と組み合わせて履かれ、そのゆるいシルエットが特徴です。女子高生の間で流行すると、中学生や卒業後の女性、さらには男性にも広がり、ファッションやコスプレのアイテムとしても定着しました。価格は500円から3000円程度で、丈の長さや装飾によって価格が異なります。

仕様

輸入された当初のブーツソックスは、厚手で丈夫な木綿製で、ルーズな形状ではありませんでした。ルーズソックスとして普及するまで、人々は靴下を自分で弛ませて履いていました。ルーズソックスを履いた時の足元は、レッグウォーマーを着用した時のような、だるっとしたシルエットになります。

ルーズソックスは、通常の靴下よりも大きめに作られており、着用時には布を折り込んでひだを作り、ソックタッチなどの靴下止めを使用してずり落ちないように固定します。

発祥と定着

1980年代後半から、女子中高生の間でスカートを短くするファッションが流行し始めました。1990年代初頭には、ミニスカートが女子高生の間で一般的になり、脚を露出する機会が増えたことで、足元を飾るアイテムとしてハイソックスが履かれるようになりました。

1982年、アメリカのE.G.スミス社などが製造していたブーツソックスがニューヨークコレクションで紹介され、日本にも輸入されるようになりました。当初は、幅広い年齢層に向けたカジュアルファッションとして販売されていましたが、1992年頃から東京・渋谷のソニープラザで販売されたことをきっかけに、女子高生の間でルーズソックスとして急速に広がりました。

ルーズソックスの発祥については、宮城県仙台市や茨城県水戸市など諸説ありますが、いずれも、大きめの靴下を弛ませて履くことで脚が細く見えるという理由から流行したと考えられています。

1993年から1998年頃にはルーズソックスブームがピークを迎え、1996年には「新語・[[流行語大賞]]」にも選ばれました。この時期には、さらにルーズな「スーパールーズ」や、ゴムを抜いた「ゴム抜きルーズ」といった変種も登場し、中には200cmもの長さのルーズソックスもありました。また、ルーズ感を出すために二重履きをする人もいました。

当時、多くの学校で白い靴下が指定されていたため、ルーズソックスは全国の生徒に広まりました。校則で禁止されている学校では、学校外でルーズソックスに履き替える生徒もいました。ルーズソックスは、女子高生の文化を象徴するものとして、メディアにも多く取り上げられました。

2000年代に入ると、ルーズソックスを禁止する高校が増え、代わりに紺色のハイソックスが普及しました。しかし、一部の学校ではルーズソックスが着用され続け、2006年頃には完全に紺ハイに取って代わられました。その後、膝上までのオーバーニーソックスも流行し、制服と組み合わせたファッションとして定着しています。

世界的には、ルーズソックスはまだ流行の過程にあり、E.G.スミス社は現在でも女性向けソックスとして販売を続けています。また、チアリーディングの衣装としても、ミニスカートとの相性が良く、ルーズソックスは定番となっています。

漫画家の吾妻ひでおが1981年から1983年にかけて連載した『スクラップ学園』では、主人公が手作りのルーズソックスを着用しており、そのファッションの先駆けとも言われています。

2010年頃から一部でルーズソックスが再評価される動きが見られ、2014年頃から私服にも合わせやすいカラフルなルーズソックスが販売され始め、再びブームとなっています。また、コスプレの世界でも、セーラー服と並んで一般的なアイテムとなっています。

2023年以降、1990年代の流行時にルーズソックスを履いていた母親世代の影響を受け、その子供たちの世代にも再び流行が広がっています。

脚注

なし

外部リンク

* E.G.SMITH

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