レッキングクルー

『レッキングクルー』は、任天堂が開発・発売したアクションパズルゲームです。1984年にアーケード版『VS.レッキングクルー』が登場した後、ファミリーコンピュータ（ファミコン）などに移植されました。1998年には、スーパーファミコン向けに内容を大幅にリニューアルした『レッキングクルー'98』が発売されています。

概要

マリオとルイージがビルの解体業者となり、モンスターを避けながら壁を壊していくアクションパズルゲームです。アーケード版がオリジナルで、ファミコン版はその移植となります。アーケード版は対戦要素が強く（2人同時プレイ）、ファミコン版は1人プレイを重視した内容で、パズル性が高められています。また、ファミコン版ではルイージの服装がマリオと同様に赤系統で統一されています。

各機種版の発売日

アーケード版『VS.レッキングクルー』: 1984年8月（日本国内）
ファミコン版『レッキングクルー』: 1985年6月18日（ロムカセット版）、1989年2月3日（ディスクシステム版）
スーパーファミコン版『レッキングクルー'98』: 1998年1月1日（ニンテンドウパワー書き換え版）、5月23日（ロムカセット版）
ゲームボーイアドバンス版: 2004年5月21日（ファミコンミニシリーズ）
Wii バーチャルコンソール版: 2008年2月5日
ニンテンドー3DS バーチャルコンソール版: 2011年（アンバサダー・プログラム先行配信）、2012年9月19日（一般配信）
Wii Uバーチャルコンソール版: 2013年6月19日
Nintendo Switch アーケードアーカイブス版: 2020年5月1日

ゲーム内容

VS.レッキングクルー（アーケード版）

マリオ（2Pはルイージ）を操作し、敵を避けながら建物内の壁やハシゴを解体するアクションゲームです。ダイナマイトで周囲の壁を一気に壊せますが、壊す順番を考えないと制限時間内にクリアできません。アーケード版は、ファミコン版と異なり支柱やドラム缶がなく、パズル要素は薄いです。高次面になると壁が硬くなり、壊す回数が増えます。敵に触れたり、時間切れになるとミスになります。規定得点で残機が増えます。

対戦は、プレイヤーとパートナーに分かれて行われ、1人プレイではCPUがパートナーとなります。CPUはプレイヤーの邪魔をするため、妨害を避けながら解体する必要があります。また、画面上には相手の動きが影で表示されます。ダイナマイト連鎖で高得点が狙え、4面ごとにボーナスステージがあります。

レッキングクルー（ファミリーコンピュータ版）

ファミコン版は、アーケード版をさらに発展させた内容で、上下スクロールの15×8階層、全100フェーズ構成です。支柱やドラム缶などの仕掛けが追加され、パズル要素が強くなりました。タイトル画面から自由にフェーズを選択できます。

仕掛け

扉: 破壊不可ですが、叩くと一時的に開き、ダイナマイトで全て開きます。敵を誘導して閉じ込めたりできます。
支柱: 破壊可能で、上の物体を落とします。ブラッキーも破壊しにきます。
ドラム缶: 破壊不可の障害物です。支柱を壊して敵を閉じ込められますが、自分が閉じ込められると脱出不能になります。
ハシゴ: 破壊不可で、上下フロアを移動できます。ダイナマイトの爆風を遮断します。
ダイナマイト: ハンマーで爆発させ、周囲の壁を破壊します。連鎖で高得点になりますが、爆風で自分が下階に落とされることもあります。
壁: 3種類あり、耐久度が異なります。ハンマーやダイナマイトで破壊します。
ハシゴ壁: 長いハシゴで、一気に破壊できます。破壊後は昇降不可です。支柱で千切れるとダイナマイトでしか破壊できなくなります。

キャラクター

敵キャラクター

スパナゴン: 恐竜のような姿で、マリオを追尾します。オレンジ色と紫色の2種類があります。
ナスビ仮面: ナスに手足が生えた姿で、通路を規則的に動き回ります。スピードが速いです。
ブラッキー: マリオに似た姿で、壁を壊してマリオを落とそうとします。
火の玉: 一定時間ごとに現れ、フロアを横切ります。

隠れキャラクター

豚: 800点
サンタクロース: 1600点
招き猫: 3200点
スーパーハンマー: 一撃で壁を壊せるパワーアップアイテムです。
文字: M→A→R→I→O（2PはL→U→I→G→I）の順で出現させると残機が増えます。

移植版

ファミリーコンピュータ版

アクションパズルゲームで、2人プレイは交互に行います。ダイナマイトの使い方が攻略の鍵です。100面から自由にスタートでき、エディットモードで自作の面を作成できます。ロムカセット版では、ファミリーベーシックとデータレコーダーが必要です。

ディスクシステム版

ロムカセット版と同様の内容ですが、特別な機器がなくてもエディットモードで作成した面の保存が可能です。

音楽

サウンドトラックには以下のものが存在します。

『ファミコン・ミュージック』（1986年、G.M.O.レコード）
『ファミコン 20TH アニバーサリーオリジナル・サウンド・トラックス VOL.1』（2004年、サイトロン・デジタルコンテンツ）

スタッフ

ファミリーコンピュータ版

エグゼクティブ・プロデューサー：山内溥
プロデューサー：横井軍平
ディレクター：岡田智
プログラマー：中村俊之、TOMOYO chan、YASE SOBAJIMA、AKINA chan
デザイン：坂本賀勇、加納誠
サウンド・コンポーズ：田中宏和

評価

ファミコン版は、パズル性とアクション性の高さから評価されており、特にゴールデンハンマーの爽快感が人気です。レトロゲームとして現在も楽しまれています。

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