レプラコーン

レプラコーンとは

レプラコーン（leprechaun）は、アイルランドの伝承に登場する妖精で、靴職人として知られています。その名前は「小さな体」を意味し、ルブラホーン、ラバーキン、ルホルバン、ルプラホーンなど、様々な異名で呼ばれることもあります。英語読みではレプラカーンとも発音されます。

外見と特徴

レプラコーンは、小さなしわくちゃの顔に、ごま塩のあごひげ、とがった鼻、そして輝く目をしていると描写されます。服装は、銀のボタンが付いた赤いジャケット、茶色の半ズボン、銀の留め金が付いた黒いブーツが一般的です。彼らは、たいてい皮のエプロンを身に着け、小槌で靴を修理する姿が見られます。靴を片方しか作らないのは、体が小さくて仕事があまりできないため、あるいは一本足であるためとも言われています。

性格と能力

レプラコーンは、基本的に自分のためにしか働かない妖精です。スコットランドやイギリスに伝わるブラウニーのように人間に奉仕することはありません。しかし、彼らは地中の宝物のことを知っており、うまく捕まえることができれば、黄金のありかを教えてくれると言われています。ただし、レプラコーンは非常に気まぐれで、一瞬でも目を離すとすぐに悪戯を仕掛け、笑いながら姿を消してしまうため、黄金を手に入れるのは非常に困難です。アイルランド南西部には「レプラコーンに注意」と書かれた交通標識があることでも知られています。

レプラコーンの起源

レプラコーンの原型とされる妖精は、8世紀に書かれたとされる『フェルグス・マク・レーティの冒険』に登場するLúchorpáin（「小さな体」の意）という名の水棲または両棲の妖精です。この物語では、アルスターの王フェルグス・マク・レーティが水辺でうたたねをしていると、3匹のルーホルバンによって水中に引きずり込まれますが、彼は彼らを捕まえ、水中を自由に泳げる力を要求します。

様々な姿

レプラコーンは、その役割によっていくつかの別名を持つこともあります。クルラホーン（Cluricauns）は、泥酔したレプラコーンを指し、ファー・ジャルグ（Far Darrig）は、悪戯好きの赤い服を着たレプラコーンを指します。

ポップカルチャーにおけるレプラコーン

レプラコーンは、様々なメディアにも登場しています。例えば、映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、クィディッチのアイルランドチームのマスコットとして登場し、会場に金貨を降らせました。ただし、この金貨は2、3時間ほどで消滅するという設定になっています。

また、ホラー映画シリーズ『レプリコーン』では、殺人鬼のレプラコーンが登場し、話題になりました。

まとめ

レプラコーンは、アイルランドの豊かな伝承が生んだ魅力的な妖精です。その愛らしい外見と、気まぐれな性格、そして宝物のありかを知っているという設定は、多くの人々を魅了し続けています。もしアイルランドを訪れる機会があれば、もしかしたらレプラコーンに出会えるかもしれません。

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