ロクス

聖ロクス（ラテン語：Rochus、イタリア語：Rocco、フランス語：Roch、スペイン語およびポルトガル語：Roque）は、13世紀末から14世紀初頭にかけて生きたカトリック教会の聖人です。1295年にフランスのモンペリエで生まれ、1327年8月16日に亡くなりました。

彼は特に、中世ヨーロッパを襲ったペスト（黒死病）に対する守護[[聖人]]として広く知られています。その像や絵画には、しばしば裂傷を負った脚を見せ、傍らにはパンをくわえた犬が描かれています。この犬は、ロクスがペストで苦しんでいた際、彼に食べ物を運び、傷を舐めて癒したという伝説に基づいています。

生涯

ロクスは、モンペリエの総督の息子として生まれました。裕福な家庭に育ちましたが、20歳で両親を亡くした後、その財産を全て貧しい人々に分け与え、ローマへの巡礼の旅に出る決意をします。

ローマでは、当時流行していたペストの患者たちの看護に献身しました。ロクスが患者の頭上に十字の印を切ると、たちどころに癒されたという奇跡の逸話が数多く残っています。しかし、自らもピアチェンツァでペストに感染してしまいます。

回復後、ロクスは故郷のモンペリエへと帰還を試みますが、当時のフランスは戦争によって分裂状態にありました。その為、彼の身元を証明することができず、スパイと疑われて投獄されてしまいます。1327年、彼は獄中でその生涯を閉じました。

伝説と崇敬

ロクスの伝説は、その献身的な看護と奇跡的な癒しの力に焦点を当てています。特に、犬が彼を助けたという物語は非常に有名で、芸術作品に繰り返し描かれています。

ロクスの崇敬は中世を通じて広まり、多くの教会や礼拝堂が彼に捧げられました。現在でも、彼はペストや伝染病からの保護を求める人々の間で、重要な守護[[聖人]]として敬われています。

関連事項

サン・ロッケ教会：世界各地にロクスを記念して建てられた教会があります。
聖ロクスの日：毎年8月16日は、聖ロクスの聖名祝日として祝われています。

ロクスの生涯は、困難な状況においても、信仰と献身をもって人々に尽くすことの大切さを示しています。

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