ヴァンヤール

ヴァンヤール (Vanyar)

ヴァンヤールは、J・R・R・トールキンの中つ国を舞台とした小説、『シルマリルの物語』に登場するエルフの一族です。彼らはヴァラールからの呼びかけに応じ、イングウェに率いられてアマンへと旅立ちました。上のエルフの中でもっとも上位に位置づけられています。

第一のエルフ

ヴァンヤールの起源は、目覚めの湖で最初に目覚めたエルフ、イミンとその妻イミンイェに遡ります。イミンはさらに6組の男女を目覚めさせ、彼らがヴァンヤールの祖となりました。このイミンの一党は、イルーヴァタールが創造した144人のエルフのうち、ごく少数です。ヴァンヤールの人口がノルドールやテレリに比べて少ないのは、イミンが選んだ仲間が少なかったためです。

彼岸のエルフ

ヴァンヤールはエルダールの中でも最初にアマンへと渡った一族であり、「怒りの戦い」に参加した者を除き、中つ国へ戻った者はいません。しかし、「怒りの戦い」に参加した者たちも、後にアマンへと帰還しました。ヴァリノールにおいて、マンウェは彼らに詩と歌を授け、カラクウェンディの中で最も愛しました。ヴァンヤールもまたマンウェを深く愛し、彼の膝下で暮らしました。彼らはメルコールの虚言に惑わされることなく、ノルドールの反乱にも加担しませんでした。

ヴァンヤールという名前は、クウェンヤで「金髪」を意味します。彼らはしばしば自身を、古名であるミンヤール（Minyar、意味は「第一」）と呼びます。彼らが話すクウェンヤの方言は、標準的なクウェンヤには失われたエルフ祖語の特徴を含んでいます。ヴァンヤールは、ノルドール、ファルマリと共にカラクウェンディに、ノルドール、テレリと共にエルダールに含まれます。

特筆すべきヴァンヤール

イングウェ：ヴァンヤールの王であり、全てのエルフの上級王。
インディス：イングウェの近親であり、フィンウェの2番目の妻。フィンゴルフィンとフィナルフィンの母であり、ガラドリエルの祖母。彼女のヴァンヤールの血によって、ノルドールの王家に金髪がもたらされました。

異伝

初期のトールキンの原稿では、ヴァンヤールはテレリと呼ばれていました。一方で、『シルマリルの物語』でテレリとして知られている種族は、ソロシムピと呼ばれていました。

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