一宮なほみ

一宮なほみ（いちみや なほみ、1948年11月22日 - ）は、日本の裁判官、人事官、弁護士として知られています。彼女は、人事院総裁（第25・26代）や仙台高等裁判所長官といった要職を歴任しました。

生い立ちと裁判官としてのキャリア

東京都出身の一宮氏は、中央大学法学部を卒業後、裁判官の道へ進みました。各地の地方裁判所や家庭裁判所で判事を務め、その経験を基に仙台高等裁判所長官にまで上り詰めました。裁判官としてのキャリアを着実に積み重ね、その能力と実績は高く評価されました。

人事官への転身と人事院総裁就任

2013年6月、一宮氏は裁判官出身者としては異例となる人事院人事官に任命されました。これは、当時のねじれ国会において、人事官のポストが空席となっていたことが背景にあります。その後、第2次安倍内閣が「女性登用」を成長戦略の一つとして掲げたことを受け、2014年4月12日には女性として初の人事院総裁に就任しました。この人事は、彼女のキャリアにおける大きな転換点となりました。4月14日には、内閣総理大臣官邸で安倍晋三総理から辞令が交付され、正式に人事院総裁としての職務を開始しました。

2017年6月22日には人事院総裁に再任され、2021年6月22日に任期満了により退任するまで、その重責を果たしました。

弁護士としての活動と受章

人事院総裁退任後の2021年7月、一宮氏は弁護士登録（東京弁護士会所属）を行い、弁護士としての新たなキャリアをスタートさせました。2022年5月には、長年の公務への貢献が評価され、瑞宝大綬章を受章しました。2023年には、エフビー介護サービスの取締役に就任し、多方面での活躍を続けています。

経歴詳細

以下に、一宮氏の経歴を詳細に示します。

1971年03月 - 中央大学法学部卒業
1971年10月 - 司法試験第二次試験合格
1972年04月 - 司法修習生（26期）
1974年04月 - 横浜地方裁判所判事補
1977年04月 - 福岡地方裁判所判事補、福岡簡易裁判所判事
1980年04月 - 浦和地方・家庭裁判所判事補、浦和簡易裁判所判事
1983年04月 - 浦和地方・家庭裁判所川越支部判事補、川越簡易裁判所判事
1984年04月 - 浦和地方・家庭裁判所川越支部判事
1986年04月 - 東京地方裁判所判事
1989年11月 - 司法研修所教官（民事裁判）
1994年04月 - 東京高等裁判所判事
1995年08月 - 東京地方裁判所判事（民事10部総括）
2000年04月 - 千葉地方裁判所判事（民事2部総括）
2002年11月 - 家庭裁判所調査官研修所長
2004年04月 - 裁判所職員総合研修所長
2005年12月 - 水戸地方裁判所所長
2007年05月 - 東京高等裁判所判事（民事1部総括）
2011年01月 - 仙台高等裁判所長官
2013年06月 - 依願退官
2013年06月 - 人事官
2014年04月 - 人事院総裁
2018年04月 - 人事院総裁再任
2021年06月22日 - 任期満了により人事院総裁退任
2021年07月15日 - 東京弁護士会名簿登録、一宮なほみ法律事務所弁護士
2022年05月 - 瑞宝大綬章受章
2023年02月 - エフビー介護サービス取締役（監査等委員）

一宮なほみ氏は、裁判官、人事官、弁護士として、それぞれの分野で顕著な業績を残し、日本の司法と行政に大きく貢献した人物と言えるでしょう。

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