万博記念公園自然文化園

大阪府吹田市に広がる万博記念公園の一部をなす自然文化園は、1970年に開催された日本万国博覧会の跡地を利用して創設された広大な公園施設です。博覧会終了後、広大な敷地の有効活用が喫緊の課題となる中で、自然と文化が融合する新しいタイプの公園として整備されることになりました。その計画において核となったのは、万博の象徴として多くの人々に強烈な印象を与えた芸術家・岡本太郎氏による「太陽の塔」です。この唯一無二の芸術作品を中心に、豊かな緑地や多彩な施設が配置され、現在に至るまで多くの来園者に親しまれています。自然文化園を含む万博記念公園全体の管理・運営は大阪府によって行われています。

自然文化園の敷地面積は、約98万5千平方メートルにも及び、これは甲子園球場のおよそ25個分に相当する広さです。そのうち、芝生エリアは約26万5千平方メートルを占め、広々とした開放的な空間が広がっています。

公園内には、日本庭園や国立民族学博物館などがあるエリアとは別に、主に公園南側に多様な施設が設けられています。

太陽の塔: 自然文化園を訪れる人々がまず目にする、紛れもないシンボルです。1970年の万博のために岡本太郎氏が手がけたこの巨大な芸術作品は、現在も公園の中心に威容を誇り、国内外から多くの観光客が訪れます。
自然観察学習館: 公園の豊かな自然について学び、体験する機会を提供する施設です。季節ごとの自然観察会や実習活動などを通じて、公園内の様々な植物や生き物について深く知ることができます。
ソラード (森の空中観察路): 地上からの眺めとは一味違う、森の中を空中散歩するような体験ができる施設です。地上から3メートルから10メートルの高さに設けられた木製の遊歩道を歩くことで、普段は見上げることの多い木の幹や枝、葉の様子を間近に観察できます。設置当初は樹冠部（林冠）の観察も可能でしたが、樹木の成長により、現在はその機会は少なくなっています。観察路には、森の様々な音を聞き取れる集音器や、周囲の景観を楽しめる展望台なども設置されています。
現代美術の森: 日本万国博覧会の開催から35周年を迎えたことを記念して整備されたエリアです。広大な敷地を利用して、国内外の著名な現代美術家による作品14点が展示されており、自然景観とアートの融合を楽しむことができます。
お祭り広場: 万博開催期間中に様々な催し物が行われたイベント会場の跡地を転用した広場です。現在でも、週末にはフリーマーケットやイベントが開催され、多くの来場者で賑わいを見せています。
緑地: 太陽の塔のすぐ前に広がる「太陽の広場」をはじめ、「上の広場」「下の広場」「東の広場」といった広々とした芝生や緑地エリアが点在しています。これらの場所は、ピクニックを楽しんだり、家族や友人とレクリエーションを行ったりするのに最適な空間です。
夢の池: 自然文化園内にある大きな人工池です。この池の中央には、日系アメリカ人の彫刻家・庭園デザイナーであるイサム・ノグチ氏が「宇宙の夢」をテーマに設計したユニークな形の噴水塔が設置されています。博覧会開催時には華麗な水の演出が行われましたが、終了後は噴水機能は停止され、現在は独特なデザインのモニュメントとして池の中に静かに佇んでいます。1985年からは池でサイクルボートを楽しむことができるようになり、人気を集めましたが、施設の老朽化により池の水が渇水したため、2009年6月に営業を休止しました。その後、池の改修工事が行われ、2011年5月28日に無事、サイクルボートの営業が再開されています。

利用案内

入場料: 自然文化園への入場料は、大人が260円、小人（小・中学生）が80円です（2022年3月現在の情報に基づきます）。この料金で、自然文化園に隣接する日本庭園にも共通で入園できます。
* 定休日: 毎週水曜日と年末年始（12月28日から1月1日まで）が休園日となっています。

交通アクセス

自然文化園へのアクセス方法は複数あります。大阪モノレールをご利用の場合は、「万博記念公園駅」が最寄り駅で、中央口から公園に入園できます。公園東口駅は、日本庭園や国立民族学博物館方面へのアクセスに便利です。阪急電鉄山田駅からは、公園西口方面（フットサルコートやパークゴルフ場など）へのアクセスが可能です。また、JR京都線茨木駅、阪急京都線茨木市駅、北大阪急行/大阪モノレール千里中央駅からは、阪急バスや近鉄バスを利用して万博記念公園へ向かうことも可能です。

（注）施設の情報や利用条件は変更される場合がありますので、最新の情報は公式ウェブサイトなどでご確認ください。

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