万座温泉

万座温泉の魅力と特徴

群馬県吾妻郡嬬恋村に位置する万座温泉（まんざおんせん）は、標高1,800メートルという日本屈指の高所にある温泉地です。この場所は、上信越高原国立公園内にあり、自然豊かな景観に囲まれています。また、岐阜県の下呂温泉の濁河温泉と共に、年間を通じて自家用車でアクセス可能な最も高所にある温泉として知られており、多くの観光客を惹きつけています。

泉質と特徴

万座温泉の最大の特長は、その泉質にあります。酸性硫黄泉（硫化水素泉）の温泉は、白濁または黄濁した湯を提供し、日本一の硫黄成分を含有しています。この泉は、毎分3,750リットルという豊富な湧出量を誇り、利用客に心地よい癒しを提供します。温泉街は草津白根山の山麓に広がり、冬季にはスキー客が訪れる賑やかなスポットとして知られています。一方で、春から秋のシーズンには、かつての湯治場としての賑わいを取り戻します。源泉温度が高いため、湯けむりが立ち込め、硫黄の香りが漂うさまは、まさに地獄のような印象を与えます。

温泉街の風景

万座温泉の中心部にはリゾート施設や旅館が点在し、その背後にはスキー場が広がります。しかし、国立公園内にあるため、施設の増改築が制限されており、比較的古い建物も多いため、少々の老朽化が見受けられます。人気のある旅館やホテルは残り7軒ほどで、地域の特性として自炊可能な宿泊施設も設けられていますが、周辺にはコンビニエンスストアがなく、宿泊先の売店での買い物のみとなります。また、万座温泉スキー場は映画『私をスキーに連れてって』の撮影地としても知られています。

歴史と発展

開湯の正確な時期は不明ですが、万座温泉周辺では古代の弥生土器などが見つかっています。伝説によると、坂上田村麻呂が鬼退治をした場所とも言われ、古くから武士たちが湯治に訪れた記録もあります。江戸時代には温泉地として利用されていましたが、あまり栄えず戦後になり、西武グループによるリゾート開発によって本格的に発展しました。

1983年には、万座温泉ホテルで火災事故が発生し、135人が宿泊中でしたが、幸いにも大きな事故には至りませんでした。その後も万座温泉には様々な出来事があり、2004年には温泉の偽装問題が報じられましたが、現在では透明性が確保されています。

アクセス

万座温泉へは、鉄道を利用する場合、JR吾妻線の万座・鹿沢口駅から西武観光バスを利用して約40分の距離です。また、北陸新幹線の軽井沢駅からもアクセスが可能で、万座・鹿沢口駅を経由すると約90分かかります。自動車でのアクセスは、有料の万座ハイウェーを利用するのが最も便利で、春から秋のシーズンには志賀草津高原ルートも開通しますが、冬季は通行止めになることがあります。自然の美しさと歴史が交差する万座温泉は、訪れる人々にとって特別な体験を提供しています。

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