三国花火大会

三国花火大会：伝統と迫力の融合、美しい花火が彩る夏の夜

三国花火大会は、福井県坂井市三国サンセットビーチで毎年8月上旬に開催される、歴史と伝統を誇る花火大会です。別名「みくに夏まつり花火大会」とも呼ばれ、7000発もの花火が夜空を鮮やかに彩ります。

歴史と変遷：戦前から続く夏の風物詩

この花火大会の歴史は古く、戦前から三国海水浴場を舞台に開催されていました。当時、三国芦原電鉄（現在のえちぜん鉄道）が運営に携わっていたと伝えられています。1932年（昭和7年）の東尋坊口駅開設時には、既に花火大会は開催されていたと推測されています。戦時中は中断を余儀なくされましたが、終戦後の1947年（昭和22年）に地元の熱意によって復活。その後、地元商工会なども協力し、地域を挙げてのイベントとして発展していきました。

しかし、1968年（昭和43年）に会場付近に石油備蓄タンクが建設されたことで、安全上の理由から1980年（昭和55年）まで中止となりました。石油備蓄タンク撤去後の1981年（昭和56年）に、有志による実行委員会が設立され、現在の形へと生まれ変わりました。

2014年（平成26年）には台風11号の接近により、大会史上初めて中止を余儀なくされましたが、その後9月に延期開催されました。また、2020年（令和2年）と2021年は、東京オリンピック開催による警備員確保の困難さや、山の日変更の影響で中止となりました。これらの困難を乗り越え、現在も地域を代表する夏のイベントとして、多くの人々に愛されています。

見どころ：圧巻のスケールと水中花火の神秘

三国花火大会の最大の特徴は、そのスケール感です。最大2尺（約60cm）の打ち上げ花火をはじめ、仕掛け花火やスターマインなど、様々な種類の花火が次々と打ち上げられ、観客を圧倒します。中でも、水平線に半円を描くように打ち上げられる水中花火は、この大会を象徴する名物です。3台の水中花火船から花火師が直接海へ花火玉を投げ込むことで、幻想的な光景を作り出します。

長野オリンピックでも花火を担当した伊那火工堀内煙火店のベテラン花火師30名以上が、三国港突堤や水中花火船から、花火の打ち上げ作業にあたっています。その技術と情熱が、美しく迫力ある花火を可能にしています。

アクセスと観覧

会場となる三国サンセットビーチ周辺は、大会当日には交通規制が行われます。公共交通機関を利用するか、事前に交通規制情報を確認する必要があります。有料観覧席は旅行代理店向けの販売のみとなっており、一般向けは用意されていません。

まとめ：伝統と革新が織りなす夏の夜空の芸術

三国花火大会は、戦前から続く歴史と、現代の花火技術が融合した、まさに日本の夏の風物詩と言えるでしょう。美しい花火と、その背景にある人々の努力、そして歴史が織りなす、忘れられない夏の思い出を、多くの人々に提供し続けています。 今後、この伝統ある花火大会が、これからも多くの人々に感動と喜びを与え続けることを期待したいです。

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