三河港

三河港：世界を代表する自動車港湾

三河湾・渥美湾奥に広がる三河港は、愛知県東部の豊橋市、田原市、蒲郡市、豊川市の4市にまたがる、重要な港湾です。愛知県が管理するこの港は、港湾法上の重要港湾、港則法上の特定港に指定されており、その規模と機能は国内外で高く評価されています。

特に、完成車の輸出入においては世界的な規模を誇ります。金額、台数ともに全国トップクラスの実績をあげ、名古屋港、ドイツのブレーマーハーフェン港、ベルギーのゼーブルッヘ港、アメリカのブランズウィック港と並んで、世界を代表する自動車港湾として知られています。

歴史と概要

三河港は、1962年（昭和37年）に豊橋港、田原港、西浦港、蒲郡港の4港を統合して誕生しました。1964年（昭和39年）には重要港湾に昇格し、その地位を確固たるものとしています。

港湾区域は周囲約80キロメートル、面積約132平方キロメートルに及びます。豊橋市（神野地区、明海地区、大崎地区）、田原市（田原地区）、蒲郡市（蒲郡地区、大塚地区）、豊川市（御津地区）の各地区にわたって広大な施設が展開されています。蒲郡地区は2007年（平成19年）4月に「みなとオアシスがまごおり」として登録され、観光拠点としての役割も担っています。

主要企業の進出

三河港には、数多くの企業が進出しており、自動車関連企業の集積が特に顕著です。代表的な企業としては、以下の通りです。

豊橋市神野地区:
三河港コンテナターミナル
メルセデス・ベンツ日本
ボルボ・カー・ジャパン豊橋VDC
プジョー・シトロエン・ジャポン豊橋VPC
フォード・ジャパン
FCAジャパン（旧・フィアットクライスラージャパン）
ジャガーランドローバー・ジャパン
日本ジュース・ターミナル
POSCO-JEPC
愛知海運産業
鈴与
上組
豊橋倉庫

豊橋市明海地区:
フォルクスワーゲングループジャパン

田原市田原地区:
トヨタ自動車田原工場
アイシン・エィ・ダブリュ
東京製鐵

蒲郡市蒲郡地区:
竹本油脂
ニデック

豊川市御津地区:
スズキマリーナ三河御津

輸出入状況

三河港の輸出入規模は非常に大きく、2013年時点での輸出額は約2兆671億円（全国6位）、輸入額は約5,266億円（全国30位）に達していました。特に完成車の輸出入は、金額、台数ともに全国トップクラスです。

2013年の完成車輸出は、金額で約1兆9,570億円、台数で約85万8,000台にのぼりました。主な輸出先はアメリカ（約80.2％）で、カナダ、プエルトリコ、チリ、ブラジル、ロシアなども重要な市場です。一方、完成車輸入は金額で約3,985億円、台数で約16万1,000台で、ドイツ、ベルギー、スロバキア、インドネシア、メキシコからの輸入が多いです。

自動車メーカーとの連携

三河港は、多くの自動車メーカーと緊密に連携しています。輸入においては、フォルクスワーゲングループジャパンが国内輸入業者として唯一の自社専用岸壁を保有するなど、強固な関係を築いています。輸出においては、トヨタ自動車、スズキ、三菱自動車などが主要な取引先となっています。

完成車の輸出入だけでなく、自動車運搬船を使った国内輸送の積み込みも行われています。三河港は、さらなる自動車メーカーの誘致を目指し、「国際自動車コンプレックス構想」を推進し、「国際自動車特区」として政府の第二次構造改革特区にも指定されています。

関連施設

三河港には、ポートインフォメーションセンター「カモメリア」、ライフポートとよはし、豊橋総合スポーツ公園、シーパレスリゾート、三河臨海緑地、バリアフリー桟橋海陽、ラグーナ蒲郡など、多くの関連施設が整備されています。これらの施設は、港湾機能の向上だけでなく、地域経済の活性化や観光振興にも貢献しています。豊橋港区は、現在の三河港となる以前からの名称が、今でも地元の案内板などに残っています。

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