アイシン・エィ・ダブリュ

アイシン・エィ・ダブリュ株式会社について

アイシン・エィ・ダブリュ株式会社（AISIN AW Co.,Ltd.）は、かつて存在した自動車部品メーカーであり、オートマチックトランスミッション（AT）とカーナビゲーションシステムで世界的なシェアを持っていました。アイシングループの主要企業の一つであり、その技術力は自動車業界で高く評価されていました。

社名の由来

社名である「エイ・ダブリュ」は、設立当初の社名「アイシン・ワーナー（Aishin Warner）」に由来しています。これは、アメリカの自動車部品メーカー、ボルグワーナー社との合弁事業であった名残です。合弁解消後も、この名前はそのまま残されました。

事業概要

アイシン・エィ・ダブリュは、ATとカーナビゲーションシステムの2つを主力事業としていました。

オートマチックトランスミッション（AT）事業：世界初のFR車用8速ATやFF用6速ATを開発するなど、高度な技術力を誇り、世界シェア1位を誇っていました。トヨタ・ハイブリッド・システム（THS）用の製品も手掛け、ハイブリッド車の普及にも貢献しました。
カーナビゲーションシステム事業：ナビゲーションとATの協調システムや、音声案内、自動リルート機能、交差点拡大表示など、先進的な技術を開発しました。また、スマートフォン向けカーナビアプリ「ナビエリート」も提供していました。

沿革

1969年：アイシン精機とボルグワーナー社の合弁会社として「アイシン・ワーナー株式会社」を設立。
1983年：子会社「サンワ工業株式会社」（現・アイシン・エィ・ダブリュ工業）を設立。
1988年：社名を「アイシン・エィ・ダブリュ株式会社」に変更。
2009年：ポルシェから「サプライヤーオブザイヤー2008」を受賞。また、ホイールモータシステムを搭載したトヨタ自動車の「i-REAL」が公開。
2012年：自動車用ATの生産累計1億台を達成。
2014年：タイにAT工場を建設することを発表。
2017年：岐阜県瑞浪市に子会社・エィ・ダブリュ瑞浪を設立。
2018年：中国の広州汽車集団、浙江吉利控股集団とそれぞれ合弁会社を設立。
2019年：アイシン・エーアイ株式会社を経営統合。エィ・ダブリュ・ノースアメリカ株式会社、エィ・ダブリュ・テキサス株式会社を設立。トヨタ自動車およびLINEと「LINEカーナビ」を開発。
2021年：アイシン精機と経営統合し、「株式会社アイシン」となる。

工場

アイシン・エィ・ダブリュは、愛知県を中心に複数の工場を構えていました。

本社（愛知県安城市）：名鉄西尾線が敷地を貫通。
田原工場（愛知県田原市）
岡崎工場（愛知県岡崎市）
岡崎東工場（愛知県岡崎市）
蒲郡工場（愛知県蒲郡市）
城山工場（愛知県西尾市）
吉良工場（愛知県西尾市）

その他

コーポレートスローガンは「Driving Innovation」。
2013年、本社第2工場で爆発火災が発生。

関連事項

アイシン・エィ・ダブリュは、スポーツ分野にも力を入れており、以下のチームを保有していました。

アイシン ウィングス（W.LEAGUE）
アイシン アレイオンズ（B3.LEAGUE、2022年解散）

また、以下の著名人が関連しています。

辺見えみり（テレビCMに出演）
甲斐友梨（元レスリング部所属）
新海真美（元レスリング部所属）
* 渡利璃穏（レスリング部所属）

まとめ

アイシン・エィ・ダブリュ株式会社は、ATとカーナビゲーションシステムで世界をリードする技術力を持った企業でした。現在はアイシン精機と統合し、新たなスタートを切っていますが、その技術力は現在のアイシンにも受け継がれています。

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