三菱航空機

三菱航空機株式会社の歴史

概要

三菱航空機株式会社（Mitsubishi Aircraft Corporation）は、三菱重工業の子会社で、Mitsubishi SpaceJet（旧MRJ）の開発・販売を目的として2008年に設立されました。しかし、2023年4月に本事業の開発中止が発表され、商号をMSJ資産管理株式会社に変更した上で、同年末に解散する見込みです。2024年に特別清算の手続きが始まることも発表され、負債は約6413億円に上ります。

設立から開発までの道のり

三菱航空機は、設立当初から多くの野心的な目標を掲げていました。特に、世界のリージョナルジェット市場でのシェア拡大を目指し、約5000機の需要を予測、その中でも70-90座席級の機体については約3500機の受注を狙っていました。初代社長は三菱重工業の戸田信雄で、設立時には約200人のスタッフを有していましたが、2020年の開発凍結前には約2000人に達しました。

この事業は、2002年に経済産業省が推進する研究開発プロジェクト「フォーカス21」の一環としてスタートしました。2003年には「環境適応型高性能小型航空機研究開発事業」が始まり、主要な技術開発が進められることとなります。2009年には正式に法人化され、MRJ機体の開発に着手することになります。

事業の進展と課題

当初、MRJ（現SpaceJet）は、2011年に初飛行を予定し、2013年には初号機の納入を目指していました。しかし、実際には初飛行が2015年にずれ込むなど、事業は遅延が続きました。これに伴い、赤字が拡大し、採算見通しが悪化していきました。特に、開発体制の縮小が発表された2020年以降は、多くの課題が表面化しました。

開発中止の決定

三菱航空機は、2023年2月に開発中止を発表しました。この決定は、開発再開に必要な事業性が見込めないとの判断に基づいたものでした。同年の4月、全日本空輸との契約も解除され、業績はさらに悪化。営業活動の見直しや資本金の大幅な減少も報告されています。

清算と今後

2023年4月25日、商号がMSJ資産管理株式会社に変更され、同年3月には解散手続きが進められることが決定しました。清算会社への移行が程なく行われ、負債の整理が進む見込みです。三菱航空機の事業の多くは三菱重工業に移管され、今後の動向が注目されています。

最後に

三菱航空機は日本の航空産業における重要な存在でしたが、事業の終焉は多くの課題を示唆しています。業界全体が変化する中、今後の航空機産業の行方もまた注目に値します。

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