三遊亭鳳楽

三遊亭鳳楽（さんゆうてい ほうらく）は、1947年3月1日生まれ、埼玉県川越市出身の落語家です。五代目圓楽一門会の顧問を務めています。出囃子は『松の太夫』または『正札付』、本名は内田 啓次（うちだ けいじ）です。

経歴

1965年10月、五代目三遊亭圓楽に入門し、前座名「楽松（らくまつ）」を名乗りました。五代目圓楽の総領弟子であり、圓楽の師匠である六代目三遊亭圓生にとって初の孫弟子にあたります。入門当初は、師匠である圓楽が多忙だったため、大師匠である圓生の身の回りの世話をする前座として圓生のもとで修行しました。圓生からは「初孫」として可愛がられたものの、稽古は厳しかったと述懐しています。

1972年11月、柳家さん喬、五街道雲助、柳家さん治、金原亭駒三、三遊亭梅生、立川談十郎とともに二ツ目に昇進。
1977年、第6回NHK新人落語コンクールで最優秀賞を受賞。
1978年、日刊飛切落語会若手落語家奨励賞を受賞。
同年に勃発した落語協会分裂騒動では、大師匠・圓生、師匠・圓楽とともに落語協会を脱退しました。

1979年9月、真打に昇進し、「鳳楽」と改名。帝国ホテルで行われた真打昇進披露宴は、直前の9月3日に急逝した大師匠・圓生の初七日にあたりましたが、前年の落語協会分裂騒動の遺恨を捨て、落語協会・落語芸術協会の多数の噺家と全寄席の席亭が出席し、落語界全体が鳳楽の昇進を祝う雰囲気となりました。

1993年、文化庁芸術祭賞を受賞。
2007年、師匠・圓楽の引退表明を受け、円楽一門会（のちの五代目円楽一門会）の会長に就任しました。
2015年、五代目円楽一門会会長の座を三遊亭好楽に譲り、同会顧問に就任。2023年頃からは両国寄席や一門会などへの出演を控えています。

人物

全国各地の蔵元に太いパイプを持っていることで知られています。
1978年から2024年3月まで静岡放送（SBSラジオ）のラジオ番組にレギュラー出演し続けました。2022年現在は静岡市葵区に在住。
七代目圓生襲名の話も出ましたが、実現には至っていません。

芸歴

1965年10月 - 五代目三遊亭圓楽に入門、前座名「楽松」
1972年11月 - 二ツ目昇進
1978年 - 落語協会分裂騒動で師匠と共に落語協会を脱退
1979年9月 - 真打昇進、「鳳楽」と改名

受賞歴

1977年 - 第6回NHK新人落語コンクール最優秀賞
1978年 - 日刊飛切落語会若手落語家奨励賞
1993年 - 文化庁芸術祭賞

役職

2007年 - 円楽一門会会長
2015年 - 五代目円楽一門会会長顧問

主な出演

映画
『㊙大奥外伝 淫薬おんな狂乱』（1973年、日活） - 徳川家定 役

ラジオ
SBSラジオの各番組に長年出演。

テレビ
『知ってるつもり?!』（1998年1月18日、日本テレビ）
ドラマ『鉄道むすめ〜Girls be ambitious!〜』

作品

著書
『隠居の重し－はるかなる円生への旅』
『落語江戸風俗志』（執筆に参加）
『人情心意気』

CD
キング落語名人寄席/三遊亭鳳楽

DVD
三遊亭鳳楽独演会（静岡新聞社）

弟子

真打: 三遊亭楽松、三遊亭鳳志、三遊亭鳳笑
二ツ目: 三遊亭鳳月
* 廃業: 三遊亭鳳好

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