上五島空港

上五島空港について

上五島空港（かみごとうくうこう、Kami-Goto Airport）は、長崎県南松浦郡新上五島町に所在する地方管理空港で、1981年に開港しました。定期便は2023年現在運航されておらず、空港は実質的には休港状態にあります。

概要

この空港は、長崎港からの定期フェリーでは2時間半以上かかる移動時間を短縮するために設立されました。山岳地帯に建設されたため、空港の立地は独特の条件を有しています。開港当初は、地域住民にとって新しい交通手段として大いに利用されましたが、着陸が難しい気象条件の影響で就航率は約80%とされていました。空港から最寄の集落・有川地区までの移動にも一定の時間を要するため、アクセスは一筋縄ではいかないものでした。

また、1990年代に高速連絡船のジェットフォイルが就航するとみるみるうちに空港の利用者数は減少し、2005年度にはおよそ4,700人にまで落ち込みました。この影響で、2006年には定期便の運航が終了しました。それ以降は、職員が常駐しているものの実質的には営業を行っていない状況が続いています。

利用目的と議論

現在、上五島空港は主に医療関連の目的で活用されています。離島への医師の搬送や救急患者の輸送の待機所として機能しています。また、空港の存続については、長崎県および関係自治体間で活発な議論が行われています。廃止後の有効利用の提案や、災害時のライフラインとしての活用案など様々な意見が出されています。

歴史的背景

上五島空港は1977年に第3種空港として政令指定を受け、1981年に運航を開始しました。この空港は、STOL（短距離離着陸）専用で、福岡[[空港]]からの遠隔管制によって運営されてきました。過去には福岡[[空港]]や長崎空港との間にオリエンタルエアブリッジによる便がありましたが、悪天候により頻繁に欠航することもあり、利用者数の減少は避けられませんでした。

アクセスや展望

西肥自動車による路線バスも中通島の青方・有川港から運行されていましたが、空港の閉鎖に伴い便数が減り、この路線も短縮されてしまいました。このため、現状では公共交通機関を用いて空港へアクセスすることは難しくなっています。

さらに、2016年に頭ヶ島天主堂が世界遺産に登録されたことを受けて、観光情報の提供を目的としたインフォメーションセンターがターミナルビルに設置されました。この計画は、観光業の振興にも寄与することが期待されています。

結論

上五島空港は、その立地の特異性と歴史的背景から、多くの課題を抱えつつも、地域の交通手段としての重要性は変わらないでしょう。未来に向けて、地域住民のニーズに応じた形で再生することが望まれています。圧倒的な自然の中で、空と島を結ぶ架け橋として、その可能性は常に模索され続けています。

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