上原きみ子

上原きみ子：少女漫画界の巨匠

上原きみ子（うえはら きみこ、本名：村上君子）は、1946年4月25日生まれの日本の漫画家です。岐阜県出身で、現在は名古屋市に在住しています。血液型はO型、身長は155cmと公表されています。

デビューと初期の活動

上原先生の漫画家としてのキャリアは、貸本漫画から始まりました。1965年には、本名の金田君子名義で『黒コスモスの花言葉』を発表。その後、東京漫画出版社の貸本漫画で数作品を発表しつつ、雑誌への投稿も行っていました。1968年、『りぼん』（集英社）11月号に掲載された「ショーケン物語」で、上原希美子名義で商業誌デビューを果たします。このデビュー作以降、上原先生は小学館の雑誌を中心に活動を続けました。

少女漫画家としての飛躍

1969年からは『少女コミック』（小学館）で本格的に作品を発表。「上原きみこ」として活動を始めました。同年の『愛馬エンゼル』が初連載作品となり、その後1970年から1971年にかけて『週刊少女コミック』で連載された『ルネの青春』を皮切りに、数々のヒット作を生み出しました。『ロリィの青春』や『炎のロマンス』はミリオンセラーを記録し、その人気を不動のものとしました。

活動の幅を広げる

1977年には『ちゃお』（小学館）の創刊号から『舞子の詩』を連載し、同誌の表紙も飾りました。また、『学年誌』にも「まりちゃん」シリーズを連載するなど、小学生を対象とした雑誌にも活躍の場を広げました。1990年代以降はレディースコミック誌でも執筆を開始し、特に1991年から『フォアミセス』（秋田書店）で連載を開始した『いのちの器』は、30年を超える長期連載となり、1998年にはテレビドラマ化もされました。2024年7月現在で単行本は94巻を数えます。

多彩なテーマと読者層

上原先生の作品は、乗馬、フィギュアスケート、バレエなど、幅広い題材を扱っています。また、舞台も日本国外に及ぶものが少なくありません。少女漫画、児童漫画、レディースコミックと、幅広い読者層に向けて作品を発表しており、「あとはシルバーコミックしかない」と語るなど、その意欲は衰えていません。小学館、集英社、講談社、秋田書店、白泉社といった主要な出版社で作品を発表しており、出版された単行本の数も膨大です。

家庭と仕事の両立

1970年代には数多くの連載を抱えていましたが、若くして結婚し3人の子供の母親となったため、漫画家と育児の両立には大変苦労したそうです。

受賞歴

1990年には、『「まりちゃん」シリーズ』で第35回小学館漫画賞児童部門を受賞しています。

主な作品

ショーケン物語 涙いろの想い出（1968年、商業誌デビュー作）
愛馬エンゼル（1969年）
ルネの青春（1970年 - 1971年）
カプリの真珠（1972年）
天使のセレナーデ（1972年 - 1973年）
ロリィの青春（1973年 - 1975年）
炎のロマンス（1975年 - 1977年）
舞子の詩（1977年 - 1981年）
マリーベル（1978年 - 1980年）
ハーイ!まりちゃん（1980年 - 1984年）
青春白書（1981年 - 1983年）
夢時計（1982年 - 1984年）
VIVA!あかねちゃん（1983年 - 1984年）
こちら愛!応答せよ（1984年 - 1986年）
ラブリーまりちゃん（1984年 - 1989年）
ハッピーまりちゃん（1986年 - 1991年）
銀のトゥシューズ (1987年 - 1991年)
天使のアラベスク（1994年 - 1995年、上原きみこ名義での最後の作品）
いのちの器（1991年 - 、上原きみ子名義）
愛のエトワール
愛のワルツ
愛のアラベスク
白鳥の歌
ごきげん♡チャーミィ
浪漫幻夢
夢どけい
結婚のお約束
友情マーチ
あんずの咲く音
オーレ!ロマンス
はばたけエンゼル
華子さん日記
* 鬼ころし

コミックスについて

1990年代後半には、上原先生の単行本がほぼ絶版状態でしたが、2000年代に入ると数作品が文庫コミックとして復刊され、入手しやすくなりました。しかし、まだ復刊されていない作品や電子書籍化されていない作品も多くあります。

上原きみ子の足跡

上原きみ子は、少女漫画界に大きな足跡を残した漫画家の一人です。その作品は、多くの読者に夢と感動を与え、世代を超えて愛され続けています。多岐にわたるテーマを扱いながらも、常に読者の心に寄り添う作品を描き続けています。

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