上田岳弘

上田岳弘 - 日本の小説家

上田岳弘（うえだ たかひろ、生年1979年2月26日）は、兵庫県明石市出身の日本の現代作家です。彼は早稲田大学法学部を卒業し、その後法人向けソリューションメーカーで働きましたが、2013年に小説「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞し、作家としての道を歩み始めました。

来歴

彼のデビュー作「太陽」は新潮新人賞を受賞した後、2015年には「私の恋人」が第28回三島由紀夫賞を受賞しました。この作品は、又吉直樹の「火花」を僅差で破っての受賞であり、その実力を広く知らしめました。また、松浦寿輝や鴻巣友季子との対談では、彼の作品が新超越派と名付けられるなど、その独特な作風に注目が集まりました。

2016年には国際文芸誌〈Granta〉の「Best of Young Japanese Novelists 2016」に選ばれ、その後も様々なメディアで活躍が続きます。2017年からは小説「キュー」の連載を開始し、2019年には「ニムロッド」で第160回芥川賞を受賞しました。

特に彼の作品は、現実の中に幻想的な要素を融合させることが多く、さまざまな文学賞にその名を連ねています。2023年には日本SF作家クラブの会員に選出されるなど、幅広いジャンルに影響を与えています。

受賞・候補歴

これまでに数多くの賞を受賞しており、主要な受賞歴としては、2013年の新潮新人賞、2015年の三島由紀夫賞、2019年の芥川賞、2022年の川端康成文学賞などがあります。彼の作品は、文学界での評価が非常に高く、特に「旅のない」や「最愛の」は、その深い洞察力に満ちた内容が多くの読者から支持されています。

今後も彼の作品がどのように進化していくのか、多くの文学ファンが注目しています。

影響を受けた作家

彼が人生で特に影響を受けたと語る本には、村上春樹の『風の歌を聴け』やガブリエル・ガルシア＝マルケスの『百年の孤独』、カート・ヴォネガットの『タイタンの妖女』があります。これらの作品は、上田の文学観に大きく影響を与えたとされています。

作品リスト

上田岳弘の主な作品には、以下のような小説があります：

• - 『太陽・惑星』（新潮社、2014年）
• - 『私の恋人』（新潮社、2015年）
• - 『異郷の友人』（新潮社、2016年）
• - 『塔と重力』（新潮社、2017年）
• - 『ニムロッド』（講談社、2019年）
• - 『旅のない』（講談社、2021年）
• - 『引力の欠落』（KADOKAWA、2022年）
• - 『最愛の』（集英社、2023年）

これらの作品は、文学的な深みと独特の視点が評価されています。

メディアミックス

彼の作品は舞台化されることも多く、例えば「塔と重力」を原作とした舞台『肉の海』や小説『私の恋人』は、いずれも劇場で上演され、多くの観客を魅了しました。

上田岳弘は現在も活動を続けており、今後の新作が期待されます。彼の作品は、現代日本文学の重要な一部となっており、読者に新たな視点を提供し続けることでしょう。

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