上田浦駅

上田浦駅について

上田浦駅（かみたのうらえき）は、熊本県葦北郡芦北町大字井牟田に位置する肥薩おれんじ鉄道線の駅です。駅番号はOR05で、のどかな風景の中に佇む無人駅です。

駅名の由来

駅名は、かつてこの地にあった田浦村の北部に位置すること、そして既に開業していた肥後田浦駅の上方にあることに由来します。

歴史

上田浦駅は、1952年（昭和27年）に国鉄鹿児島本線の駅として開業しました。当初は有人駅でしたが、1970年に無人化されました。その後、1987年の国鉄分割民営化によりJR九州に承継され、2004年には肥薩おれんじ鉄道の駅となりました。

開業当初は1面1線の棒線駅でしたが、1965年に交換設備が設置され、1面2線の島式ホームとなりました。かつては、海水浴シーズンには多くの観光客で賑わい、臨時列車が停車することもあったそうです。

年表

1952年（昭和27年）10月10日：国鉄鹿児島本線の駅として開業。
1962年（昭和37年）4月1日：業務委託駅となる（日本交通観光社に委託）。
1965年（昭和40年）10月1日：交換設備設置。
1970年（昭和45年）9月30日：荷物扱い廃止。CTC導入に伴い無人駅化。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化によりJR九州に承継。
1990年（平成2年）4月：木造駅舎解体。駅舎跡地にログハウス風の駐輪場が竣工。完全無人駅化。
2004年（平成16年）3月13日：肥薩おれんじ鉄道の駅となる。
2011年（平成23年）8月21日：一日限定で駅カフェを開催。
2016年（平成28年）11月5日：臨時列車が運行され、沿線散策や紅茶テイスティングのイベントを開催。
2019年（令和元年）10月1日：駅ナンバリング導入に伴い駅名標を更新。

駅構造

現在の駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅です。無人駅で、駅前にはログハウス風の駐輪場があります。トイレは開業当初からの木造のものが残っています。

かつての賑わい

かつては白い木造駅舎があり、出札窓口と待合室のある有人駅でした。駅周辺には黄金ヶ浜海水浴場があり、夏休みには海水浴客で賑わいました。1989年までは、夏季限定で駅員が派遣されていましたが、海水浴客の減少や駅舎の老朽化により、1990年以降は夏季も無人駅となっています。

駅周辺

駅周辺は山と海に挟まれた狭い場所で、民家は駅周辺と北側の山肌に点在しています。駅に停車する列車本数は比較的多いですが、幹線道路からは離れており、秘境駅のような雰囲気もあります。

海沿いの道は狭く、2010年までは隣駅の肥後二見駅まで軽自動車以上の大きさの自動車は通行できませんでした。2013年に県道二見田浦線が開通し、道路事情は改善されましたが、駅周辺に駐車場やロータリーはありません。

駅の海側には黄金ヶ浜海水浴場があり、ホームや跨線橋からも眺めることができます。かつては多くの海水浴客で賑わい、臨時列車が運行されるほどでしたが、現在は閑散としています。

黄金ヶ浜海水浴場

黄金ヶ浜海水浴場は、夕日が黄金色に見えることからその名が付けられました。かつては県内有数の避暑地として知られ、多くの海水浴客や臨海学校の生徒が訪れていました。しかし、海水浴客の減少や水俣病の影響などにより、利用者は激減しました。現在、海水浴場は廃止されてはいませんが、かつての賑わいは失われています。

その他の施設

駅の近くには、1996年に閉校した井牟田小学校の校舎を利用した上田浦地区社会教育センターがあります。

イベント

上田浦駅では、過去に以下のようなイベントが開催されました。

駅カフェ（2011年）：駅の景観を生かして、カフェが一日限定でオープンしました。
全国地紅茶サミット（2016年）：水俣駅との間で臨時列車が運行され、沿線散策や紅茶テイスティングのイベントが開催されました。

隣の駅

肥薩おれんじ鉄道線

肥後二見駅（OR04）
上田浦駅（OR05）
* たのうら御立岬公園駅（OR06）


上田浦駅は、かつては海水浴客で賑わった駅ですが、時代の流れとともに静かな無人駅となりました。しかし、駅周辺には、かつての賑わいを偲ばせる風景が残っています。

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