下付き文字

下付き文字（subscript）とは、文字や記号を、基準となる文字よりも下側に小さく配置する表記方法です。主に、化学式や数学の数式などで利用されます。例えば、化学式では分子に含まれる原子の数を表すために、元素記号の右下に下付き文字で数字を記述します（例：H₂O）。また、数学においては、変数を区別するために添え字として下付き文字が用いられます（例：x₁, x₂）。

下付き文字の用途

化学式: 分子を構成する原子の数を表します。水の化学式H₂Oは、水素原子が2つ、酸素原子が1つ結合していることを示します。
数学: 変数や定数を区別するために使用します。数列の各項を表す場合（a₁, a₂, a₃,...）や、異なる値を区別する場合（x₁, x₂）などに用いられます。
物理学: 物理量を表す記号に添えて、特定の状態や条件を示すことがあります。例えば、温度T₀は初期温度を表すことがあります。

コンピュータでの下付き文字の表現

コンピュータ上で下付き文字を表現する方法はいくつかあります。

HTML: `<sub>`タグと`</sub>`タグで囲むことで、テキストを下付き文字として表示できます。例えば、`H<sub>2</sub>O`と記述すると、H₂Oと表示されます。
Unicode: 下付き文字として定義されている文字コード（U+2080からU+2089など）を直接入力することも可能です。しかし、すべての文字が用意されているわけではありません。
TeX: 数式処理に特化した記述言語であるTeXでは、`$_{}`を用いて下付き文字を表現します。例えば、$x_{1}$と記述すると、x₁と表示されます。

上付き[[文字]]との違い

下付き文字と対になる概念として、上付き[[文字]]（superscript）があります。上付き[[文字]]は、基準となる文字よりも上側に小さく配置される文字や記号です。数学における累乗（例：x²）や、序数（例：1st）の表記などに用いられます。

関連事項

添え字: 下付き文字と上付き[[文字]]は、総称して添え字と呼ばれます。
化学式: 分子の構成を表す記号であり、下付き文字が頻繁に用いられます。
* JIS X 4051: 日本工業規格における文書構造記述言語の一つであり、下付き文字などの文字修飾に関する規定が含まれています。

このように、下付き文字は様々な分野で情報を簡潔かつ正確に伝達するために不可欠な役割を果たしています。

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