下属音

音楽理論において、下属音（かぞくおん、英: subdominant）とは、全音階の主音から完全5度下、または完全4度上に位置する音を指します。これは、全音階における第4度音に相当し、和声の構成において非常に重要な役割を担います。

具体例として、ハ長調（C Major）の場合、主音は「ド」（C）であり、そこから完全5度下の音は「ファ」（F）となります。同様に、イ短調（A minor）では、主音「ラ」（A）から完全5度下の音は「レ」（D）となります。これらの「ファ」や「レ」が、それぞれの調における下属音です。

下属音を根音とする和音は下属和音と呼ばれ、音楽に独特の色彩と安定感をもたらします。下属和音は、主和音（トニック）への進行を準備する重要な役割を担うことが多く、特にカデンツ（終止形）において、支配和音（ドミナント）と共に用いられることが一般的です。これにより、音楽は効果的な緊張と緩和を生み出し、楽曲全体の構成を豊かにします。

下属和音は、主和音から見て、より落ち着いた響きを持ち、音楽に陰影や奥行きを加える効果があります。ポップス、クラシック、ジャズなど、あらゆるジャンルの音楽において頻繁に用いられ、その応用範囲は非常に広いです。楽曲分析においては、下属音と下属和音を理解することで、作曲家の意図や楽曲の構造を深く読み解くことが可能になります。

下属音は、単に音階上の位置を示すだけでなく、和声機能における役割を理解することが重要です。音楽の構成要素として、下属音は楽曲の流れや感情表現に大きな影響を与える要素であり、音楽理論を学ぶ上で不可欠な概念と言えるでしょう。

関連項目

旋法

参考

音楽理論の教科書
* 音楽辞典

この情報が、音楽理論における下属音の理解を深める一助となれば幸いです。

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