不室屋

加賀麩不室屋：伝統と革新が織りなす麩の世界

1865年（慶応元年）、石川県金沢市で創業した不室屋は、150年以上の歴史を誇る老舗の麩メーカーです。金沢を代表する和菓子老舗、森八や俵屋と肩を並べる老舗として、その名を知られています。創業は、不室村出身の土地豪族の末裔である久右衛門が、現在の本店のある尾張町に居を構え、その子である六右衛門が麩の製造を始めたことに遡ります。発祥の地である不室村にちなんで「不室屋」という屋号が名付けられました。

当初は伝統的な麩づくりに励んでいた不室屋ですが、時代とともに変化を遂げてきました。現在では、金沢市内のみならず、首都圏や関西地方などにも直営店を展開。さらに、カフェテラス形式の飲食店「FUMUROYA CAFE」や「不むろ茶屋」も経営し、麩を使った料理やスイーツを提供することで、麩の魅力をより多くの人に伝える努力を続けています。サントリー美術館内には、不室屋がプロデュースしたカフェも存在するなど、その取り組みは多岐に渡ります。

変わらぬ味と、進化するスタイル

不室屋が製造する麩は多種多様。「ふやき御汁 宝の麩」や「すだれ麩」、「車麩」といった定番商品から、「加賀生麩」（よもぎ麩、黒ごま麩など）といった季節感あふれる商品まで、幅広いラインナップが揃っています。また、「麩のおそうざい」や「おやつ麩（菓子）」、「ふのやき（菓子）」など、麩を使った加工品も展開し、麩の可能性を広げる試みも積極的に行われています。

店舗展開：全国に広がる不室屋の輪

不室屋は、石川県金沢市に本社と本店を構え、東山店、有松店、金沢百番街店、大和香林坊店、金沢エムザ店など、地元に根ざした店舗を展開しています。また、富山県（富山大和店、高岡大和店、とやマルシェ店）、東京都（日本橋店、日本橋髙島屋店、日本橋三越店、池袋西武店、渋谷東急店、渋谷東横のれん街店、渋谷ヒカリエShinQs店、新宿高島屋店）、神奈川県（横浜高島屋店）、愛知県（名古屋高島屋店）、京都府（京都大丸店、京都高島屋店）、大阪府（心斎橋大丸店、梅田大丸店、うめだ阪急店、大阪高島屋店）、兵庫県（神戸大丸店）など、全国各地に店舗を展開することで、多くの人に不室屋の麩を提供しています。

さらに、「FUMUROYA CAFE」は、金沢百番街店、香林坊大和店、TOYAMAキラリなどに出店しており、カフェ空間で麩を使ったメニューを楽しむことができます。「不むろ茶屋」（不室屋東山店隣接）やサントリー美術館内の「shop×CAFE」など、多様な業態による店舗展開も特徴です。

老舗の伝統と現代の感性が融合

不室屋は、創業以来変わらない伝統的な麩づくりと、現代的な感性を融合させた独自のスタイルを確立しています。老舗の伝統を守りながら、常に新しいことに挑戦し続ける姿勢は、多くの顧客から支持されています。これからも、不室屋は、伝統と革新を両立させながら、麩の可能性を追求し続けていくことでしょう。 大杉漣さんが「宝の麩」のTVCMのナレーションを務めていたことも、不室屋の知名度向上に貢献したと言えるでしょう。

150年以上にわたる歴史と、現代的な視点を取り入れた展開により、不室屋はこれからも日本の食文化に貢献していくことが期待されます。

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