世田谷美術館

世田谷美術館

世田谷美術館は、東京都世田谷区の砧公園内に位置する美術館で、1986年に開館しました。この美術館は、地元の文化や生活に密着したアートの収集と展示を目的としており、特に「素朴芸術」や「アウトサイダー・アート」と呼ばれる、正規の美術教育を受けていない作家の作品に注目しています。

沿革

世田谷美術館は1986年に開館し、初期から地域に根ざした芸術の発展を目指して、多様なコレクションを築いてきました。開館当初は「芸術と素朴」のテーマに基づく展覧会を開催し、世田谷の地域住民に親しまれるアートを提供してきました。また、隣接する世田谷清掃工場からのゴミ処理の余熱を館内の暖房に利用するなど、地域の環境にも配慮した設計がなされています。

コレクション

美術館のコレクションには、様々なアーティストの作品が含まれています。代表的な作品には、アンリ・ルソーの「フリュマンス・ビッシュの肖像」や、ジャン＝ミシェル・バスキアの「See」、オルネオーレ・メテルリの「楽師と猫」などがあります。そのほかにも、マックス・エルンストの「ヤヌス」、ジョアン・ミロの「人と鳥」、草間彌生の「君は死して今」など、現代アートの巨星たちの作品が収蔵されています。

建築概要

世田谷美術館は、1985年に竣工され、広さは延床面積8,223m²、建築面積4,882m²の鉄筋コンクリート造です。この建物の設計は著名な建築家の内井昭蔵によるもので、彼はこの作品で日本建築家協会の25年賞を受賞しました。美術館は地下1階・地上2階から成り、公園内の木々に溶け込むように有機的な形状をしています。

建物のデザインは、正方形の凹凸を用いたコンクリート表面の表情と、正三角形のトラス状柱を基にしたモチーフが特徴で、特にディテール設計が評価されています。

主な設備

美術館内には、収蔵品展示室や企画展示室、区民ギャラリーをはじめ、創作室、講堂、ミュージアムショップ、レストラン（フランス料理 ル・ジャルダン）、カフェ（セタビカフェ）、ライブラリーなど、多様な施設があり、来館者が快適にアートを楽しむことができる環境が整えられています。

分館

世田谷美術館は、地域内に数つの分館も持っています。例えば、向井潤吉アトリエ館や清川泰次記念ギャラリー、宮本三郎記念美術館など、世田谷区にゆかりのあるアーティストの作品や活動を紹介する場として機能しています。

まとめ

世田谷美術館は、地域に密着した素朴なアートやアウトサイダー・アートを通じて、訪れる人々に親しまれる文化施設です。多彩なコレクションと充実した設備を備え、地域のアートシーンを支える重要な役割を果たしています。

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