中山俊宏

中山俊宏：アメリカ政治を深く探求した国際政治学者

中山俊宏（なかやま としひろ）は、1967年2月14日に生まれ、2022年5月1日に55歳で逝去した日本の国際政治学者です。国際政治学博士の学位を持ち、慶應義塾大学総合政策学部教授、防衛省参与、青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科教授、日本国際問題研究所客員研究員など、数々の要職を歴任しました。彼の専門は、アメリカ政治外交、アメリカ政治思想であり、特にアメリカの保守主義運動や日米関係について深く研究しました。

学歴と経歴

中山氏は、青山学院大学で永井陽之助・押村高らに師事し、国際政治学の基礎を築きました。2001年には、青山学院大学から『米国共産党研究にみる政治的知識人エートスの変容』で博士（国際政治学）の学位を取得しています。

略歴は以下の通りです。

1984年：サウスダコタ州ウォータータウン高校卒業後、青山学院高等部に編入し卒業
1990年：青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科卒業
1993年：同大学院国際政治経済学研究科修士課程修了
1993-94年：ワシントン・ポスト紙極東総局記者
1996-98年：国際連合日本政府代表部専門調査員
1998-2004年：日本国際問題研究所アメリカ研究センター研究員
2004-2006年：日本国際問題研究所主任研究員
2005-2006年：ブルッキングス研究所客員研究員
2006-2009年：津田塾大学国際関係学科助教授、准教授
2010-2014年：青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科教授
2014年：慶應義塾大学総合政策学部教授
2019-2020年：防衛省参与

著作と研究

中山氏は、アメリカ政治に関する多数の著作を発表しています。主な単著として、『アメリカン・イデオロギー――保守主義運動と政治的分断』(2013年)、『介入するアメリカ――理念国家の世界観』(2013年)、『理念の国がきしむとき - オバマ・トランプ・バイデンとアメリカ』（2023年）、『アメリカ知識人の共産党: 理念の国の自画像』（2023年）があります。これらの著作は、アメリカの政治思想や外交政策を深く理解するための重要な資料となっています。

また、共編著や論文も多数発表しており、アメリカ政治、国際関係、アジア太平洋地域の安全保障など、幅広いテーマについて研究を行っていました。

受賞歴

中山氏の業績は、国内外で高く評価されています。2014年には、第10回[中曽根康弘賞]を受賞し、2023年には、第35回アジア・太平洋賞（選考委員会特別賞）を受賞しています。

人物像

中山氏は、研究者としてだけでなく、教育者としても多くの学生を育成しました。慶應義塾大学では、総合政策学部の教授として、学生たちにアメリカ政治の現状や国際関係の課題について深く考察する機会を提供しました。また、防衛省参与として、日本の安全保障政策にも貢献しました。

死去

2022年5月1日、くも膜下出血により55歳という若さで急逝されました。彼の死は、学界にとって大きな損失であり、多くの人々がその早すぎる死を悼みました。

中山俊宏氏の功績は、今後も国際政治学の分野で長く語り継がれることでしょう。

外部リンク

中山俊宏研究室
中山俊宏 - 日本国際問題研究所
中山 俊宏 NAKAYAMA Toshihiro (@tnak0214) - X（旧Twitter）
中山俊宏 (toshihiro.nakayama) - Facebook

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