五山送り火

五山送り火（五山の送り火）

五山送り火は、毎年8月16日に京都で行われる伝統的な行事で、亡くなった先祖の霊を送り出すために点火されるかがり火です。「大文字の送り火」として広く知られ、京都の名物行事の一つに数えられています。これは、その年の盂蘭盆（お盆）の終わりを飾る重要な祭りです。

行事の概要

五山送り火は、京都の四大行事（葵祭・祇園祭・時代祭）の一つにあたります。行事が行われる場所は、以下の5つの山です。

• - 大文字山（如意ヶ嶽）（京都市左京区）
• - 松ケ崎妙法（下山）
• - 船形万灯籠（西賀茂）
• - 左大文字（大北山）
• - 鳥居形松明（曼荼羅山）

これらの山々では、点火される時間が設定されており、火は反時計回りに点火されていきます。特に「大文字」の火は8時ちょうどに点火され、その後松ケ崎妙法が5分後、船形万灯籠、左大文字が15分後、最後に鳥居形松明が20分後に点火されます。このように時刻が決まったのは1963年以降のことで、観光業界からの要請に基づいた変更です。

近年では点火時間の微調整も行われており、2014年には松ケ崎妙法と船形万灯籠の点火時間が5分前倒しされました。また、古くは「大文字」の火が最後に点火されていた期間もありました。

山の詳細

1. 大文字山

大文字山は如意ヶ嶽とも呼ばれ、火床は75か所あります。火床の歴史は古く、火材は1969年以降、細長い石の上に薪を組む形で点火されています。伝承によればこの地で行われていた送り火は、戦争中には中止され、人文字で彩られた正常な送り火が1946年に再開されています。

2. 松ケ崎妙法

松ケ崎には西山・東山という二つのエリアに分かれており、それぞれに火床が設けられています。歴史的には、日蓮宗に改宗した村民によって始まったと言われています。

3. 船形万灯籠

船形万灯籠は、特に西方寺の開祖に由来する伝説があり、火床は79か所あります。山の形が船の形をしているとされています。

4. 左大文字

左大文字は、約230メートルの標高を誇り、53ヶ所の火床が設置されています。造りが荒いため、sending火の形が毎年異なっていた歴史があります。

5. 鳥居形松明

鳥居形松明は他の四山と異なり、地域の有志によって運営されています。この山では松明をそのまま立てて点火するユニークな方法が用いられています。

実施の流れ

五山送り火は、地域住民の保存会によって運営されています。点火の直前には法要が行われ、点火の際には松明を掲げた保存会の会長が確認し、全ての火床に同時に点火します。点火の合図の後、京都市は一時的に煙で覆われ、その後幻想的な光景が市街を彩ります。

歴史と文化

五山送り火の起源は平安時代や江戸時代に遡ると言われていますが、公式記録は存在しません。多くの文献で、この祭りは盂蘭盆会の一環として語られています。また、戦争や災害の影響により、数回にわたり中止されたこともあり、2020年には新型コロナウイルスの影響で規模を縮小しました。

まとめ

五山送り火は、先祖の霊を大切にし、供養するための重要な行事として、多くの人々に親しまれています。また、京都の山々に火を灯す風景は、今もなお地域文化の一部として受け継がれています。この美しい光景を一度は体験したいと多くの人々が訪れる魅力的な行事です。

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